神道文化会は、昭和24年9月13日、故宮川宗徳大人の唱導により、日本伝統文化の主流たる神道文化を護持し、その価値を闡明して祖国の復興を期すべく財団法人として発足致しました。爾来神道文化の昂揚と普及を目的に、事業を展開しております。
本会は公益法人制度改革に伴い、平成24年7月2日付にて一般財団法人に移行し、「一般財団法人神道文化会」として新たな一歩を踏み出しました。
奇しくも平成24年は、神道文化会が設立されてより65年になります。
この間、本会は、学術調査書『高千穂・阿蘇』、近代神道史の総合的研究論文集『明治維新神道百年史』全5巻、『戦後神道論文選集』、『天照大御神』研究篇・資料篇各二巻、『神道要語集』祭祀篇3巻・宗教篇2巻、戦前の神社関係写真を集成した『近代の神社景観』、更には37輯を数える「神道文化叢書」等の出版を始め、機関誌『神道文化』の発行、神道文化の昂揚普及に尽力された個人・団体の表彰、神道芸能普及費の支給等、多くの事業を推進し今日に至ります。
戦後神社界は多くの課題に直面しつつも、確実に発展を遂げて参りましたが、現下の困難なる国情を顧みるとき、日本の伝統に根差した神道文化興隆の必要性が愈々望まれる所です。そこで本会では設立65周年を迎え、未だ斯界からの復刻要望の声が寄せられる『神道要語集』全五巻を再編成し、祭祀篇、宗敎篇各1冊に纏め、縮刷版『神道要語集』全2冊を刊行することになりました。神職をはじめ、神道の勉学を志す人々の利便に供することができれば幸いでございます。併せて、明年の神宮御遷宮をお祝いし、左記の通り本会既刊の伊勢の神宮関係書籍2冊を復刻することと致しました。
平成24年11月吉日
一般財団法人神道文化会会長 田中恆清
記
◎ 記念出版概要
【記念出版書】
〇復刻版『神道要語集』祭祀篇、宗敎篇各一冊(縮刷版)の刊行
〇復刻版 『お伊勢さまを讃えまつる』、『お伊勢さま百話』の刊行
◎ 記念出版書について
〇『神道要語集』
神道要語集は、昭和33年、國學院大學日本文化研究所が、「神道要語集の編纂」のプロジェクトを立ち上げ、事業に着手した。神道文化会は、その成果を出版する部門を受け持ち、約30年の歳月をかけて祭祀篇3巻、宗敎篇2巻を随時刊行してきた経緯をもつ。内容は、神道関係の要語解説ではあるが、当代一流の神道関係の学者が専門部門を担当し稿を寄せた解説文である。
詳細で格調高い解説は、一巻が刊行されるやすぐに完売し、再版を待ち望む声が多く寄せられた書籍である。しかし、全5巻が、間をおいての刊行であったため、全巻を揃え置くことは難しかった。
そこで、当神道文化会では、設立65周年の記念事業として、明らかな間違いは訂正するが、仮名遣い、文の構成等原文のまま、祭祀篇巻を祭祀篇1冊及び宗敎篇2巻も1冊に纏め、刊行することとした。利便性を図り、事典らしく体裁を整えての刊行である。
〇『お伊勢さまを讃えまつる―神宮奉讃詞華集―』、『お伊勢さま百話』
神道文化叢書第10輯『お伊勢さまを讃えまつる』は、昭和57年に出版。
本会設立35周年と、第六十一回神宮式年遷宮を10年後に控えた年にご神徳の宣揚も併せ出版された。当時神宮の禰宜で頒布部長であった西川元泰氏の著作である。氏は神宮奉仕の傍ら、お伊勢さまを奉讃する古今の数多ある詩歌の中から、歴代天皇の御製を中心に、皇大神宮奉讃詞華(神路山・五十鈴川等)
豊受大神宮奉讃詞華(天の忍穂井、外宮神域等)をテーマ別に選定されている。古今を問わず、また貴賎を問わず日本人が寄せる神宮崇敬の真心が伝わる名著である。出版から30年を経て復刻する。
神道文化叢書第11輯『お伊勢さま百話』は、阪本是丸、宇野正人両氏による著作である。同10輯に続く第六十一回御遷宮を見据えての神宮奉讃の書で、古事記、日本書紀をはじめ『神皇正統記』など多くの書籍の中から、天照大御神に関する箇所を抜粋し、解説がなされている。本会は、神道文化叢書第1輯に『神道百言』を刊行しているが、この『お伊勢さま百話』は、天照大御神のみを百話集めている。両書を傍らに置き読まれることをお勧めする隠れた名著である。
※なお、これら設立65周年記念出版書は、いずれも平成25年3月と5月に刊行することが出来ました。
※ご協賛の方々に各出版物を贈呈し、ご購読をご希望の方には頒布しております。