「皇祖神を祀る伊勢神宮は、厳しく定められた神仏隔離が古来より守られてきたと思われがちです。しかし、そうした先入観を捨て、虚心に史料と向き合い、徹底した分析によって、奈良時代から神宮史の断層とみられる戦国時代まで、800年間の神宮の驚くべき実態を見事に解明した注目の研究。」 (弘文堂紹介記事)
「伊勢神宮と仏教については、戦後の神道史研究の中でも等閑視され、立ち遅れてきた分野であるが、中世史を専門とする著者はこの問題に真正面から向き合い、関係史料を博捜して虚心坦懐に読み解き、奈良時代から戦国時代にいたるまで800年にも及ぶ伊勢神宮と仏教の関係を歴史学の立場から究明」(令和元年8月26日神社新報・読書欄掲載より抜粋)
目次
第一章 奈良~平安時代の神宮と仏教
一 伊勢大神宮寺について
二 伊勢蓮台寺の創建と内宮本地説の成立
三 「大神宮祢宜延平日記」について
第二章 鎌倉時代の神宮と仏教
一 俊乗房重源の参宮
二 俊乗房重源と内宮一祢宜荒木田成長
三 内宮祠官荒木田氏による神道説の形成
四 伊勢神道と戒律
五 鎌倉時代の神宮法楽寺院―伊勢大神宮寺の中世的変容―
第三章 南北朝~戦国時代の神宮と仏教
一 南北朝~室町時代初期の神宮法楽寺院
二 伊勢朝熊山金剛證寺について
三 内宮建国寺について
四 室町時代の神宮と仏教
五 戦国時代の神宮と仏教
六 内宮の法楽寺院支配
附 論 江戸時代初期の神宮法楽寺院