神道文化会表彰一覧(令和4年度)
①大野由之殿(神宮)
氏は、平成10年に神宮に奉職。神明奉仕の傍ら、神宮教学ならびに神社神道の教学の興隆・発展のため、古代から現代に至るまでの諸種の文献を博捜し神宮にかかる史的研究を現在にいたるまで続けている。また、多年に亘り神宮大麻の史料研究、戦後、国家との関係が分離された神宮の政教問題にも従事し、私家版『神社神道の教学と神学』、『政教分離と神宮制度』を刊行している。氏はその弛まざる神道への学問研鑽、神道の真理探究が必要とされる神職の模範とも言うべきあり方を体現している。また、昨年は神宮大麻頒布百五十年の佳節にあたり、伊勢神宮崇敬会から刊行した『神宮の原点と本質』は、端的に理解しやすく述べられた内容で好評を博し、頒布活動の一助となっている。
②中村賢一殿(三重県)
氏は、伊勢市に本社を置く出版社の代表として、長年、伊勢市を中心に、伊勢志摩地域の歴史文化を雑誌・ニュース紙、図書の編集・刊行を通じて積極的に広報活動を進めており、その名は全国的に知られている。現在代表を務める伊勢文化舎は、昭和56年に中村氏等が、旅人と伊勢を結ぶ雑誌『伊勢志摩』を刊行したことに始まり、同58年に伊勢志摩編集室として独立し今日に至る。氏の編集にかかる伊勢神宮関係の出版物は、一般向けに読みやすく地元に密着したプロのカメラマンによる優れた写真を多く掲載したもので、確実な取材に基づいた情報が収まり、この四十年間に多くの刊行物をはじめ、タブロイド判機関紙『いせびとニュース』(全国に配布)、「伊勢講暦」(カレンダー)等も発行している。氏は、伊勢の神宮広報誌『瑞垣』の編集協力にも携わり、その活動が、神道文化に貢献していると評価できる。
③宮城県神社庁神葬祭調査研究委員会殿(宮城県)
宮城県神社庁は、平成6年より7年間にわたり神葬祭実態調査を行うなど、県内の実態把握と調査研究に努めてきた。しかし近年は社会情勢の変化により葬儀の在り方が大きく変容してきていることから、現下の社会情勢を踏まえた神葬祭のガイドラインの策定を検討すべく、令和2年秋に「宮城県神社庁神葬祭調査研究委員会」を設置し、その成果として冊子『宮城の神葬祭みはぶりのみしわざ』を刊行した。神葬祭の形態は、従来地域で培われた慣例や風習が加わることにより、全国で多種多様であるが、本書は、県内における、代表的な執行例と神社本庁基準を併記して編集され、管内ガイドラインとして有用な内容となっている。また教学上の諸問題や今後の検討課題にも触れ、県内はもとより全国における神葬祭研究の基礎資料ともなることが期待される
④櫻井弘人殿(長野県)
氏は長野県飯田市遠山郷の出身で、幼い頃から地元の霜月祭りに親しみ、霜月祭りを学ぶべく國學院大學に進んだ。卒業後は、故郷に帰り、発掘調査のアルバイトなどをするうち飯田市美術博物館に学芸員として勤務し、霜月祭りの研究に努めた。退職後も研究を続けその成果を『遠山霜月祭の研究』と題し出版。その中に新たに収められた論文は、神々らの「面」の奉納歴から導き出した祭りの形成プロセスなど、神楽研究で新たな視点を示したと評価され、母校國學院大學から博士号(民俗学)を授与され、また、折口信夫に師事した民俗学者西角井正慶記念賞も受賞した。
⑤長浦ちえ殿(福岡県)
氏は、水引文化研究家であり、水引デザイナーとして活躍している。昨年6月に出版された『日本水引』は、日常生活の中で頻繁に使用される水引のルーツについて考察を行っている。日本では人にものを贈るとき、必ず水引きを結び、熨斗をつける。外国にもリボンを結ぶことはあるが、水引は日本独自のもので、結び方、色目、デザインなど様々な習俗とともに日常生活に定着している。氏は、水引を「結ぶ、祈る、贈る、日本のかたち」と表現するが、自ら水引の生産地に足を運び、ルーツを探し、神々への捧物である幣帛の発見に至る。祭りにささげられる幣帛に、水引の原点を見出している。神道文化とのかかわりは深いものがある。
神道芸能普及費受給一覧(令和4年度)
①諏訪神社神楽舞殿(千葉県)
千葉県君津市鎮座の諏訪神社は、その創建は定かではないが、小糸地区を含む元郷社で、毎年8月第四日曜日に開催される例大祭では、御近様の大祭り(オチカンサマノオマチ)とも呼ばれ、小糸地区も含む郷社のため、戦前の祭りは盛況を極めたと伝えられる。現在の祭礼は、幟旗の奉納に始まり、つづいて山車、神輿、子供神輿と太鼓が境内に入り囃子を演奏した後に、神楽獅子舞が奉納される。神楽獅子舞は、青年会を中心に毎年7月から練習に入り、祭りの日を迎える。神楽舞は百年以上の歴史を有する。例大祭のほかにも、十五夜祭と夜神楽も仲秋の名月に奉納される。
②風流節頭保存会殿
熊本県荒尾市鎮座の野原八幡宮は、平安時代初期に今の地に遷座されたと伝えられる。かつて荒尾郷と呼ばれた地域の総氏神(一の宮)であり、地元では、「のばらさん」の愛称で親しまれている。県の重要無形文化財にも指定される「風流」は、770年以上前から口伝などにより残されてきたもの。和紙でできた獅子頭をかぶった、子供二人により大祭で奉納されている。令和3年には国指定重要無形文化財、令和4年にはユネスコ無形文化遺産に指定された。活動としては、毎年10月15日に執行される大祭・通称「のばらさん」で奉納する。ここ数年は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、自粛してきたが、令和4年は状況が下火となったため、「風流」は例年通りの地区、「節頭行事」は生源寺地区のみに奉納された。今後も歴史あるこの行事を絶やすことなく正確に継承することを目的に活動している。
神道文化会表彰一覧(令和3年度)
令和4年5月27日、東京大神宮マツヤサロンにおいて受賞者、受給者の方々にご出席いただき、3年振りに表彰式・伝達式を執り行いました。
①平泉和美殿(福井県)
氏は、大庭桂のペンネームで、児童小説分野で創作活動行うとともに、近年は、神職としても日本書紀編纂千三百年を記念した冊子の制作や神道文化の情報発信に尽力している。児童小説作家としての作品は、ダム工事で湖に沈む予定の竜神社の伝統継承と水環境の大切さを物語化した『竜の谷のひみつ』をはじめ、神々や神社、伝統文化の大切さや麗しい信仰の姿などにかかわる題材が扱われている。また、日本の歴史や人物をドラマチックに描くシリーズ作品などを手掛け幅広いジャンルで執筆活動を展開している。一方、神職として、福井県神社庁教化部長として『みんなの日本書記ドリル』の制作やインターネットを利用した神道教化・啓発活動など精力的に活躍。
②井永八幡神社宮司田中律子殿(広島県)
氏は、平成二十三年、先代宮司の後を継ぎ弓神楽保存会会長として現在に至る。平安時代より続くとされる弓神楽は、中世当
初は全国的に行われていたとされるが、今では当地区と庄原市の一町を残すのみとなった。このような継承の危機に直面し、氏は先代宮司が大切に守り伝えてきた宮司家だけに伝わる祭文をはじめ、『弓神楽』に必要不可欠なものすべてが口伝に等しいものであるが、後世に残すことの重要性に鑑み『備後弓神楽伝承解説書』を刊行。その姿勢と取り組みは評価される。
③埼玉県神道青年会「埼玉県における伊勢参詣資料調査」事業委員会殿(埼玉県)
埼玉県神道青年会は、令和元年度から二年度にわたる期間、神宮大麻全国頒布一五〇周年記念事業として、「埼玉県における伊勢参詣資料調査」を実施。県内神社約八七八社へ会員が自ら足を運び、伊勢参詣を記す石碑や絵馬など約三000点をつぶさに調査・記録することで、各地域における伊勢信仰の歴史を紐解き、改めて本宗たる神宮とのつながりを再認識しようとする試みであった。このたび、その成果を『埼玉県の伊勢信仰』として一冊に纏め刊行。同書は、貴重な資料として、今後埼玉県のみならず、神職が地域の人々に神宮崇敬の歴史を語るときに際し、神宮奉賛や神宮大麻奉斎活動に大きく資する書であると評価できる。
④青森県神社庁御代替り記録誌編集委員会殿(青森県)
青森県神社庁では、平成の御大典に際し奉祝活動の記録を『青森縣平成御大典の記録』として刊行したが、今次も令和の御大典記録『平成から令和』を刊行した。本誌を作成するにあたっては、単に奉祝活動を記録して次世代の参考に資するばかりではなく、本書を紐解けば、県内における御代替わりの諸事情を理解できるような内容を心がけた。編集に際し七項目の留意点を設け、「御代替りを奉祝する青森県民の会」と「青森県御代替りの実録」の二冊組からなる記録誌『平成から令和』を上梓。
また、神社本庁の協力を得て、神社本庁冊子「令和の御大典」を先の二冊と合わせセットとして活用した点も評価される。
⑤田口孝雄殿(熊本県)
氏は、神明奉仕の傍ら公立学校の教諭として長く勤務し、退職後は大学予備校などで講師として活動、高度な専門知識と旺盛な探求心を備え、熊本県神社庁研究所講師として後進の育成に尽力している。一方、氏の故郷である天草の地域研究をライフワークとして執筆活動に奮励し、とりわけ『天草島原一揆後を治めた代官鈴木重成』は数多く史料を調査分析し学術性に優れた大著である。郷土の研究者としての地位は確固たるものがあり、神道ならびに神社に関する発信者の役割を果たしていると思料される。
特別表彰(感謝状)
⑥故阪本是丸殿
令和三年四月十八日逝去された故阪本是丸氏は、本会理事として、三十年に亘り本会の事業に多大なる尽力と貢献をされた。
とりわけ寄附行為の改正(昭和六十三年)後の新規事業開設には、故上田賢治氏とともに企画立案に参加、現在の事業の礎を築いた。機関誌「神道文化」の座談会をはじめ執筆者の依頼など掲載内容の企画・編集に携わることは近年まで及び、旧来の新書版から⒗輯より新装した学術書としての神道文化叢書の刊行に当たっても企画段階から携わり、以後本書が内外に学術的にも高い評価を得ることとなり、現在に至る。一方学者としては、近代神道史・国学研究の第一人者として知られ、また多くの後進研究者を育成。神職の養成・研修、大学運営をはじめ多方面に亘り尽力された功績は比類ない。
神道芸能普及費受給一覧(令和3年度)
①平田神社「ナゴシドン」殿(鹿児島県)
鹿児島県肝属郡に鎮座する平田神社に伝わる神事芸能「ナゴシドン」は、約六〇〇年の歴史を持つといわれ県内でも有数の歴史をもつ神事である。「ハナタカドン・ハナタカドン」と呼ばれる猿田彦の鼻の高い三体の面を、岸良海岸へ御神幸し、海水で三体の面を清めた後神事を行い無病息災を祈願する。その後四十九所神社より伝習した神舞(現存する三番)を奉納し、「茅縄くぐり」が行われる。また、この際に奉納される神舞は、かつて肝属郡に鎮座する高屋神社・四十九所神社などで舞われていたが、昭和から令和にかけてその多くが若者の県外流出、少子高齢化等の理由による後継者不足で断絶し、現在では平田神社で舞われる神舞のみ現存している。
②五所神社御田植神事保存会殿(新潟県)
毎年、二月六日午後三時より「御田植神事」が斎行される。この神事は、現存する棟札によれば、「延宝二甲寅年宮方七人」と銘記されているので、延宝(一六七三年から一六八一年)のころより行われていたと推定できる。此の神事は、宮方株の長男のみに世襲で伝えられ、家人であっても他には教えられなかった。また神事式当日は午後より境内への女人の立ち入りは禁止され、そのしきたりは平成二十九年まで継承されていた。
昭和四十五年四月に「新潟県無形文化財」に指定され、こののち保存会が設立され、さらに伝統ある地域の神事をより正しく伝承しようと努力を積み重ねている。
③西田獅子舞保存会殿(愛媛県)
昭和五十八年に設立された保存会は、愛媛県の石鎚山中にある西条市大久保の出身者が、地区に伝わる「獅子舞」が過疎化による後継者不足のため、伝承が途切れるのを憂い、石鎚神社の氏子区域である西田地区に獅子舞を伝授。爾来、西田地域の子供たちはなぶり子を目指し、幼稚園から練習に励み、大人と子供の交流を深める場ともなっている。獅子舞は、大人が獅子を操り「なぶり子」が太鼓をたたき、獅子を鎮め魔を祓う。石鎚神社の正月、春秋大祭奉納、公民館の文化祭・敬老施設の慰問゜などで活動している。
④並建雅楽会殿(熊本県)
同雅楽会は、明治中期より続く歴史の長い雅楽会で、卓越した演奏技能により、例年熊本県神社庁神殿例祭の楽人として奉仕し、コロナ禍以前は、県内各地の神社の例祭をはじめ寺院、冠婚葬祭、地域の行事での演奏、また、小中学生に日本の伝統文化としての雅楽演奏を伝えている。現在会員数一六名で構成され、毎年伊勢神宮で開催される雅楽講習会、福岡県神社庁主催の雅楽講習会に参加し技能向上に励んでいる。
令和2年度被表彰者
令和2年度の表彰選考委員会が、令和3年4月12日に開催され、審議の結果、表彰7件、神道芸能普及費4件を決定いたしました。
なお、例年執り行われている表彰式、伝達式は、昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染予防のため開催は見送られました。
①中島伸男殿(滋賀県)
惟喬親王は、承和11年(844)、文徳天皇の第一皇子として生まれたが、政争の渦中に投げ込まれ排斥され、皇位につく望みは絶たれた。その後出家し比叡山麓の小野に隠遁し寛平9年(897)、五十四歳で薨御されたと伝えられる。不運の親王については、さまざまな伝承が残されており、とりわけ著名なのは、親王を木地師(轆轤を使って椀などの日用器物つくる人たち)の始祖とするものであろう。滋賀県東近江市鎮座野々宮神社宮司である中島氏は、この「惟喬親王伝説」の中の生きざまや、崇拝から生まれた親王への信仰と文化に深い関心を持ち、平成20年から12年間にわたり滋賀県はもとより広く全国各地に刻まれていった惟喬親王伝説を追い求め伝承地を訪れ、調査して回った。氏は、『日本の民藝』誌上で連載した「惟喬親王伝説を追う」12年分の文章の内容に加筆・修正を入れ纏め『惟喬親王伝説を旅する』と題し出版した。
②宮崎県神社庁『宮崎の神楽と特殊神事』、編纂委員会殿(宮崎県)
宮崎県神社庁では、平成27年より、少子高齢化や過疎化が進む中にあって県内各地に伝わる神楽や特殊神事、芸能等の継承が困難となることに鑑み、これらの悉皆調査を開始し、その調査結果をもとに令和の御代替わり記念事業の一つとして、令和元年10月末に『宮崎の神楽と特殊神事』を刊行。同書は二編からなり、神社庁編纂委員会の27名の調査委員が地域別に高千穂系、延岡・門川系、椎葉系、米良系他多くの系統に加え春神楽(昼神楽)、冬神楽(夜神楽)などの差異がある中、これらの神楽の地域分布に基づいた各地の神楽が見やすく配置され、掲載されている。第二編では、各地域神社の特殊神事が掲載され、「祭礼文化」を理解するうえでも、またガイドブックともなりうる一冊になっている。
③岩島麻保存会殿(群馬県)
全国に優良品質の麻の生産地として知られた「岩島麻」は、近代の科学繊維の波に押され消滅の危機に直面した。この貴重な生産技術を後世に伝えるため、故海野恭斉氏が発起人となり、昭和41年に「大麻保存協議会」を結成。昭和52年「岩島麻保存会」として発展し現在に至る。天皇即位に伴う大嘗祭に使用される麻は、徳島県の「三木家」が献上するのが古例となっていたが、徳島ではすでに麻栽培の技術が絶え「岩島麻保存会」が現地に出向いて種子を提供し、栽培から麻挽きまで技術指導を行い大嘗祭に間に合わせることができたことは同保存会の功績の一つと言える。
保存会の現状は、現在、日本民族工芸技術保存会、群馬県神社庁、東吾妻町教育委員会の後援により15人の会員によって貴重な伝統技術を守っている。
④宇野日出生殿(滋賀県)
氏は 滋賀県栗東市鎮座の小槻大社宮司として、同市鎮座の式内社五百井神社が台風被害(平成25年)で全壊した社殿を復興に導いている。神職として神明奉仕の傍ら、京都市歴史資料館に長く勤務し、京文化の研究に寄与。この度刊行した『近江の神道文化』は、写真資料を多く使用し、一般の人々にもわかりやすい文章と内容になっており、古い歴史を有する近江の神道文化を興味深く紹介するなど学問的に神道文化普及に努力している。
⑤亀廼井雅文殿(宮城県)
氏は、宮城県松島市鎮座白鬚神社の宮司として神明奉仕の傍ら、長年に亘り暦学に関する調査研究に努めている。この度、自身の研究成果を取り纏めた著書『暦の成り立ち』を刊行。冒頭で氏は、「暦は天文学と軌を一にして発達してきたが、四季の変化に富んだ風土に合わせて営まれてきた日本の農業にとり、それを毎日の指針にしていた平安時代や武家社会、江戸時代の町人たちの生活にとっても極めて重要なインフラであった」と記されている。神職にとっても暦の知識は、歴史や古典を学ぶ上で大切であり、さらには神社における祓い等の諸祈願祭、外祭での祭祀、家宅建築前の地相・家相鑑定などの多くは旧暦に依拠しているなど、暦は神職にとって身近な存在である。本書はその成り立ちを知るうえで分かりやすい入門書としても評価される。
⑥秋野淳一殿(東京都)
氏は、國學院大學研究開発推進機構客員研究員として「社会変動と祭り(神社)」をテーマに、単著『神田祭の都市祝祭論』を刊行。祭りが地域社会の最後の拠り所や新たな人的ネットワークの形成の場になっている点など、現代に生きた神道文化の役割も解明し、現代の神田祭が盛んに行われる要因として、五つの特徴を指摘しつつ、他の神社祭礼と比較可能な分析モデルを提示している。
⑦『東神』編集委員会殿(東京都)
同編集委員会では、広報・教化活動として毎月一回東京都神社庁報『東神』を発行し、昨年令和2年12月号にて通算1000号を数えた。1000号達成は、『東神』が東京府神職会、大日本神祇会東京府支部、東京都神社庁を通して刊行されてきたことによる。明治40年7月の『東京府神職広報』創刊から令和2年12月号まで通算1000号となった。通算1000号の記念事業として、記念号の編集と前身各誌を含めたバックナンバーを収録した記念DVDの作成を企画。先人から受け継がれてきた貴重な資料としても評価される。
令和2年度支給対象者名
①甑島のトシドン保存会殿(鹿児島県)
甑島の「トシドン」は下甑島の下甑町手打(港・麓・本町)・片野浦・瀬々野裏・青瀬の六か所に保存会が設立され、神亊が維持、継承されている。「トシドン」はとし神であり、神々が毎年大晦日に天上界から首無し馬に乗り、それぞれの地域を代表する山などに降りてくるといわれている。甑島列島は鹿児島県本土の西方最短で26キロ離れた離島であり、人口減少少子高齢化の影響をうけて神事の継続は極めて困難となる中、「甑島トシドン」は有志で毎年継続されている。
②若宮八幡宮 御田植踊り保存会殿(石川県)
昭和8年新しい神饌田が整備されてより御田植神事と共に、お田植踊りが奉納されている。五穀の豊穣を祈念し昔ながらの仕方で御田植歌にのって田植を行っている。「御田植歌」は十二題、「御田植踊り歌」は四題あり、当時の宮司の作詞であり、収穫されたお米は新嘗祭にお供えされている。
戦後神社より歌い方、囃子方踊り子を依頼していたが、昭和三十六年総代の方々の尽力により約20名で保存会を結成し今日に至る。
③愛宕神社 高岡流綱火更進団殿(茨城県)
つくばみらい市高岡の春日神社の境内社である愛宕神社に慶長年間より、奉納されてきた「からくり人形花火」(昭和51年5月国指定重要無形文化財 高岡流綱火) の技を受け次世代に伝承する団体である。かつては集落の長男のみが、綱火の技を受け継ぎ長く伝承してきたが、先の戦争により中断。昭和30年4月1日高岡流綱火更進団は発足し、高岡流綱火は集落の火難・病難除け・村内安全・五穀豊穣を祈願し、奉納公開しており、永久に保存・伝承を目的に活動している。
④本吉太々法印神楽保存会殿(宮城県)
本吉太々法印神楽保存会は、宮城県気仙沼市新町鎮座・北野神社に同保存会事務局を置き、気仙沼・本吉地方の神社祭礼における神楽奉仕はもとより、地域行事等にも出演するなど精力的な活動を展開。県内に数多く存在する「法印神楽」の中で、「本吉太々法印神楽」は「浜神楽」に属し、その中で最も古い歴史をもつとされる。県内では、神職と氏子一般に継承を委ねる神楽保存会が多い中、同保存会は法印神楽伝承家の末裔、現在の神職のみで継承されている。
令和元年度被表彰者
本年度は、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、毎年4月に行われている表彰選考委員会の開催を見送り、「神道文化会表彰規程施行細則」の第二条に基づき会長(代表理事)による書面審査をもって表彰者を決定した。なお、神道芸能費の支給事業も同様に書面審査にて支給者を決定。
①霧島神宮誌編纂委員会殿(鹿児島県)
令和2年の『日本書紀』編纂千三百年を記念し、『霧島神宮誌』が刊行された。同誌は、平成28年3月國學院大學教授阪本是丸氏を監修に國學院大學研究開発推進センターのマネジメントに基づき、霧島神宮誌編纂委員会(委員は研究開発推進センター専任教員他大学教員等)によって推進され、令和元年9月に刊行された。執筆は、第一部を編集委員、第二部を主として事務局(霧島神宮職員)が担当し、研究者と同神宮職員との共同研究として実施された。霧島神宮は、高千穂峯(霧島山)の噴火による影響で資料が紛失した経緯もあり、本格的な神社誌の編纂は行われていなかったが、今回の本格的な資料調査により霧島信仰の歴史的経緯、祭祀、社殿、文化財、宝物、境内地、崇敬団体の現状などが一書に纏められ刊行された。内容は、霧島神宮職員が各地の霧島信仰を実地に調査したものなど貴重なものが含まれ、今後の霧島信仰の研究に大きく寄与している。
②徳島県神社庁教化委員会 殿(徳島県)
この度、徳島県神社庁は『改定徳島県神社誌』を刊行。同神社庁では、昭和56年1月1日『徳島県神社誌』(初版)が発行されているが、当時からは神社の態様も変わり、さらに今後も大きく流動することが予想され、神社の現状を記しておく必要性から改訂版を出す運びとなった。本誌は、法人化されている県下千二百九十六社の全神社を網羅し、初版の各神社の「由緒」欄を「由緒沿革」とし、より詳細に調査ののち記述した。また由緒不詳のみとなっていた神社もできるだけ説明を加え、ページ数も増加している。祭神名にルビ、祭礼の種類と斎行日を掲載することによって神職のみならず一般の方々の神社参拝や神社理解に資することも考慮した。県下全神職協力のもと、徳島県神社庁教化委員会の編纂委員が3年8か月をかけて発刊した本誌は、本県神社や神社神道への理解を深める教材ともなり今後の教化活動にも役立つと期待される。
③住かかしプロジェクト殿(大阪府)
住大社「住吉かかしプロジェクト」は、住大社境内にある御田および御田植神亊、御田講を基盤に御田植神事の苗床を住吉区、住之江区周辺の希望校・園(高校・小学校・幼保育園、こども会等)に頒賜し、稲作体験と案山子の作成、アイガモ農法(放鳥体験)への参加を通じて戦後都市化のなかで急激に都市部を中心に失われた稲作文化の継承と農耕に基づく日本文化への理解を深める「食育プログラム」である。平成25年当初は小学校5年生を対象としていたが参加要望も増え新聞などに取り上げられることにより活動展開は広がりをみせた。苗床などを西アフリカのブルキナファソ国へ毎年贈られており、同国の女性就労、学習教材の提供にも寄与している。本プロジェクトを通じた交流により国際的な文化交流活動にも発展するなど、他の稲作体験作業とは一線を画すものと言え、青少年に対する神道教化・広報活動のみならず神道文化の発信に寄与している。
神道芸能普及費の支給
①御崎神社奉賛会殿(鹿児島県)
鹿児島県肝属郡南大隅町の佐多地区では、毎年2月に御崎祭りが行われる、御崎神社の春祭りである。佐多岬の妹神が約20キロ離れた郡集落の妹神に年始参りをするという物語にそって、御崎神社から出発した御神幸行列が、途中の七浦といわれる各集落をめぐりながら近津宮神社を訪れる。佐多地区の古い伝統行事でもあり、平成17年に県指定無形民俗文化財に指定された。宮司不在の神社にも関わらず、奉賛会が立ち上げられ、毎年春の御崎祭りは執り行われる。地域の少子高齢化に伴い日程が前後することもあるが、氏子によると連綿と続いている神事である。
②北寺稲荷神楽保存会 殿(岩手県)
北寺稲荷神楽は花巻市石鳥谷町北寺林地域に鎮座する、北寺稲荷神社に伝わる岳神楽(早池峰岳神楽)の流れを汲む種森神楽(1828年) の系統として(1845年)に神楽を奉納したのが起源と言われている。今まで幾度かの中断を経てきたが、平成7年から保存会が発足し地域全体で小学校三年生になったら、全員が神楽を習い始めることになり、地域内外の諸行事等に参加し、神楽への関心と高揚を図り、伝承保存活動及び後継者を求め地域一体となって取り組んでいる。
③上根子神楽保存会殿(岩手県)
当神楽は、円万寺神楽(花巻市膝立鎮座、八坂神社)を本家とする円万寺系神楽である。山伏神楽は、山伏が奉仕する権現舞によって、村人のお祓いや農作物の方策を祈る、祈祷神楽である。当神楽には明治3年の神楽本が残されているので、少なくともそれ以前、江戸時代後期ごろには、本家の円万寺神楽より伝承されたと考えられる。北東北の山伏神楽として有名な特徴を色濃く伝えている。平成15年3月、花巻市無形文化財に指定された。普段は、熊野神社の祭事に神楽を奉納するほか、2月には、氏子の邸内神祠等を権現舞で周る、春祈祷を奉仕している。現在、当神楽保存会の人数20名(小学生を含む)。毎週一回社務所で練習会を開催。
平成30年度披表彰者
①岡部一稔 殿(京都府)
氏は京都府福知山に生まれ、平成8年まで京都市立の小学校に勤務。退職後は皇學館大学専攻科にて神職資格を取得し、福知山御霊神社宮司を経て、平成20年より福知山城朝暉神社宮司を務めている。その間三和町及び福知山市において文化財保護審議委員、福知山市郷土資料館長などを歴任し、出身地の文化振興、歴史研究等に大きく寄与。長年にわたり地方史研究を進め、『福知山市史』『三和町史』の分担執筆を「外宮御師の系譜」「丹波における金毘羅信仰」等神社、神道にかかる執筆も手掛けている。そのような文筆活動の中、この度『京都廣河原民俗誌』を自費出版。五章からなる本書は、今日少子高齢化が進む地域社会において、文化・伝統・信仰を後世に引き継ぐ上での神職の取組みのひとつの形として評価できる。
②岐阜県神社庁養老上石津支部 殿(岐阜県)
同支部では、養老町と大垣市上石津町、海津市南濃町支部内160の神社に保管されている文化財である棟札・絵馬・古文書等を調査し、報告書を纏めた。A4判302ページのものである。第一部養老町 神社の棟札・絵馬・古文書 第二部大垣市 上石津町神社の棟札・絵馬・古文書 附 古文書明細目録 解説 養老郡の神社文化財 が収録されている。調査に当たっての目的と使命感は、各神社に伝わる大切な文化財の散逸を懸念しその価値を見出し、適切に保存・管理し、後世に残すことであった。調査は養老町出身で東京大学史料編纂所西脇康氏の指導・尽力のもと平成24年8月から6年間かけて神職と氏子が立ち会い実施された。本書は、支部管内神社の文化財の悉皆調査により各神社の歴史を知る貴重な基本となる資料集であり、豊富な内容は出色で価値が高い。
③岸川雅範殿(東京都)
氏は、神田明神にて広報・資料館担当として研究及び教化活動に励む傍ら、単著1冊監修2冊、編著複数冊を手掛けている。
こうした研究活動を通して、江戸東京の神社祭礼・神事、江戸東京の神社文化をあきらかにし、江戸東京において、歴史を通じ今に至るまでいかに神社が人々の信仰拠り所として重要であるかを広める活動を続けている。また、江戸東京博物館等の公共施設において神社文化・祭礼文化の講演を行うなど、一般の人々に対しての教化活動も積極的に実施している。
④武田 淳殿(埼玉県)
氏は、平成21年より「神主さんと神社へ行こう!」という旅行を通じた教化活動を始め、多くの人々を県内神社はもとより、伊勢の神宮などに同行し、案内している。平成24年より埼玉県神社庁に勤務の傍ら、休日を利用しクラブツーリズム株式会社で講師・ツアーナビゲーターとして「神主さんと行く神社めぐり」を年に20回程度実施しており、式内社を中心として全国の神社を案内している。神社参拝の基本などをわかりやすく解説し、参加者の方々から定評がある。旅行を通じた教化活動は、神道や神社への理解を促し、教化活動としても評価される。
⑤荒川美津三殿(神奈川県)
氏は伝統技術を後世に伝える「民具製作技術保存会」に所属し、藁細工製作の技術指導者として後進の指導に当たっている。長きに亘って日本の生活文化に根差した日用品として、手作りの温かみ持つ民具の伝統継承と技術保存のため尽力している。また、民具のみならず正月飾りを始め、しめ縄や祭具といった神社や家庭祭祀に関わるものまで幅広く及んでいる。一昨年前からは、当県横浜市鎮座星川神社に、故郷宮城県にて戦前よく見られた鳥居型のしめ飾りを復活させた。神社祭祀と密接にかかわる藁細工の技術継承を通じて、祖先から受け継いできた伝統文化の復興と保持、時代への継承に努めている活動は評価される。
⑥松葉英星殿(熊本県)
熊本県人吉市にある熊本県立球磨工業高校は全国で唯一、伝統建築を学習し技術を習得する伝統建築科と高校卒業後さらに専門的に学べる専攻科をもつ宮大工を養成する高校として注目される。公立高校という制限の中で、積極的に神社建築の現場に臨んで、学んだことを実際に生かし寺社の修理建築を行い地域社会に貢献している。松葉氏は、教諭として、その地域社会とのつながりを重視することを中心に指導してきた。東日本大震災で罹災した福島県南相馬市の山田神社、河原天照皇大神宮の仮社殿のために預託された社殿の修復を手掛けたことは特筆される。平成24年2月、翌年8月の二度にわたり生徒を伴い建設作業に当たった。山田神社はこれを機に崇敬者、被災農民とともに復興へ前進することを決意し、日本財団の協力等もえて、新社殿が完成した。
平成28年の熊本地震にあっては、実際の被災状況を見て神社建築の実際と修復の手立てを学生に指導するなど、倒壊社殿の片づけや修復または新築などを手掛けている。平成30年に定年退職してのちも、宮大工を志す若者の支えとなっている。
平成30年度受給者
①橘雅楽会殿(愛媛県)
同会は、平成15年9月、愛媛県女子神職会設立十周年の女子神職による奏楽奉納に対する雅楽指導に端を発し活動を開始した。その後、井出神社の境内社である橘天満宮の夏祭りの祭典楽奉仕並びに境内での演奏会活動を続け演奏技術向上のため研鑽を積んでいる。松山市並びにその近郊市町村で老人ホームへの慰問や各種記念行事での演奏会の開催などを通して、伝統文化の護持普及と社会福祉に貢献することを基本理念に活動している。
②真岡市夏祭り町会囃子連殿(栃木県)
真岡市の夏祭りは、真岡市の中心市街地、真岡場内三ヶ町の各氏神神社である八坂神社祭礼に由来し、大前神社の摂社である 荒神社の荒神祭の神幸祭と併せて、昭和28年にそれまで別々の町会で斎行されていたものを統一して開催したことに始まる。
現在は七町会で構成され、日本の夏祭り百選にも選ばれている。それぞれの町会には、山車屋台(古いものでは嘉永元年建造の屋台もある)があり、必ずお囃子が乗っている。それまで交流のなかった各お囃子会の情報並びに技術の交流を通し、先祖から受け継いできた日本の伝統文化の継承と後継者の育成に努めている。
③土師流郷神楽萩原社中殿(神奈川県)
横浜市鶴見区に伝わる神代神楽の社中は、古文書にも記載され、寛永十五年(1638)から存在し、約四百年の歴史がある。この社中を伝承しているのが萩原家で、現在は鶴見の矢向日枝神社萩原宮司家が引き継ぎ土師流郷神楽と名乗っている。横浜市に伝わる里神楽の伝承には三つの系統があり、神代舞太夫系、神職系、舞太夫・氏子団体系であったが、明治以降神職系が残るのみとなった。そのような中、萩原社中では、後継者の育成に主眼を置き、稽古を重ね技能の向上と伝承活動に尽力してきた。現在においても年二十回以上の神楽を奉納し、四百年の永きにわたり活動を続けていることは、多大な功績といえる。
④山口県神社雅楽会殿(山口県)
昭和63年3月それまで県内各地において雅楽の習礼を重ねていた各雅楽会の神職が中心となり、また一般の雅楽愛好家をふくめ県雅楽会としての活動をすべく本会を設立。初代会長には鈴木健一郎防府天満宮宮司に就任を願い、研修会講師を中央より招聘し、研修会を重ね自己研鑽に励む。また、春秋の県内神社祭礼の奏楽を奉仕するなど活動を行っている。また、一般を対象とした「雅楽公演会」を十年毎に開催し、一昨年、結成三十年を迎えるにあたり、雅楽師東儀季一郎氏により「還元・真寿楽 舞楽・御稜威」を記念曲として創作を受け、一般公演会を下関・長門・防府の三会場にて成功裡に開催するなど活動している。
平成29年度被表彰者
(1)野村文男殿(愛知県)
氏は、愛知県安城市鎮座の神明神社宮司として神明奉仕の傍ら、古希を迎えた記念として、折々に作成した37年間に亘る祝詞380篇の中から155篇を自選し、『野村文男祝詞集』を刊行。内容は、神職以外にも読めるよう配慮され「漢字仮名交じり書き」になっており、阪本是丸氏が寄せた序文には、「奏上された多種多様な『現代的祝詞』の一つひとつに、地域社会における神職と住民・各共同体とのつながりがありありと看て取れる『祝詞集』になっていると書かれ、一方地域社会における神の姿が刻み込まれ「異色の祝詞集」でもあるとも寄せられている。また、氏のライフワークである神葬祭の研究を纏めるなど、地域に根差した信仰的な実践・研究を積み重ねてきた功績は高く評価される。
(2)涼恵殿(東京都)
氏は「涼恵」という歌手名で、作詞作曲したオリジナル曲を歌い続け、昨年歌手生活15周年を迎え、大阪と東京で記念コンサートを開催。氏は、歌手活動を始めて以来、一貫して神道の世界をオリジナルの歌にし、歌い続け、澄んだ歌声で言霊を通し神道の心を直接人々に届けている。15年間でアルバムを三集出し、全33曲を発表。多くのひとの印象に残る『豊葦原の瑞穂の国』、『このはなさくや』、『常若』、『弥栄』などの名曲がある。歌を通し、多くの人々に神道や神社への理解を促し教化活動としても評価される。
(3)埼玉県神道青年会殿(埼玉県)
同青年会が刊行した『埼玉県の忠魂碑』は,日露戦勝百十年・大東亜戦争終結七十年の記念事業として平成27年4月から29年3月までの2年間にわたった調査活動と分析作業を行い発刊されたものである。調査活動は同会がこれまでに長年取り組んできた英霊顕彰事業を引き継ぎその資料をもとに、地図上で慰霊碑の所在を確認、調査カード等に記録しながら、結果、埼玉県下における石碑の数1102基を写真、所在地等を記載し、巻末には調査報告、市町村別建立数等の資料を掲載するなど、優れたものとなっている。その活動を評価。
(4)志和八幡宮氏子青年会殿(岩手県)
同青年会は、昭和50年より、志和八幡宮祭礼の山車を氏子から引き継ぎ、製作・巡りを行っている。また同会は、同じく昭和50年に、330年前から戦前まで奉納されていた裸参りの奉納を35年ぶりに復活を果たし、今日いたる。裸参りは、以前は南部杜氏の醸造祈願であったが、現在では「南部杜氏発祥の地」といわれる伝統を後世に伝えることを目的としている。そのほか、同会の活動範囲は旧志和村の伝統文化の継承に尽力するなど地域文化に貢献している。
(5)宗像国際環境会議実行委員会殿(福岡県)
同委員会は、平成26年より福岡県宗像市で開催している「宗像国際環境100人会議」の提案を受け、立ち上げられた委員会である。宗像大社を同市地域の歴史的文化基盤としつつも神道色を前面に打ち出すことなく、ひとびとの暮らしとその社会形成の構造を決める価値観である「自然環境」を根底におく神道の社会観を無理なく浸透させ社会を再生させる活動となっている。“海の鎮守の森”想を標榜し、沿岸部に広がる『磯焼け』問題をはじめ、漂着ゴミなどの海の環境問題を中心に活動している。
(6)吉川竜実殿(三重県)
氏は、平成元年に神宮へ奉職して以来、神明奉仕の傍ら多年にわたり神宮故実を中心に研究を重ね、皇學館大學に於いても研究員として成果を上げ、神道や神宮の学術研究を進める上で功績大である。
また、昨年には長年の研究業績である論文『近世神宮考証学』が評価され、皇學館大學に於いて「博士(文学)学位」が授与された。単著『遷宮物語―江戸時代の遷宮啓蒙誌を読む―』、共著『わかりやすい神道の歴史』、『伊勢物語―悠久の歴史と祭り―』などがありその他、共編も多数あり功績を評価。
(7)吉浦八幡神社「雅の会」殿(広島県)
同会は、昭15年に先々代の宮司であった横田末秋氏が奉祝会において「浦安の舞」
を奉奏したことに端を発し発足。以後歴代の宮司が守り伝え、氏子から舞姫を募り継承されている。「形だけの「浦安の舞」伝承だけでなく、神社が鎮座する「地域に伝わる伝統文化や心を伝承するなどの目的を掲げ活動している。会発足当初より一貫して「舞」の稽古を通じて氏神様への礼節をも教え、その活動の足跡を記録写真や歴代の舞姫の声などを掲載し、刊行している。
以上7件
平成29年度神道芸能普及費受給者名
(1)池川神楽保存会殿(高知県)
同保存会は、高知県内土佐の三大神楽のひとつとされる。四百年以上の歴史もち、出雲神楽が四国伊予を経由して池川に伝わったとされ、活動としては、毎年11月23日の池川神社秋季大祭での神楽奉納を中心としているが、数年前からは地元の小学生が神楽の指導を受けており神社での奉納にも参加している。また、平成18年から、伝統芸能を持たない北海道北見市の有志が神楽を習得すべく「北見池川神楽保存会」を立ち上げ指導を行うなど、「神楽」が全国に広まっていった歴史を彷彿させる現代版のような活動である。池川神社のみならず、活動の場を広げている。
(2)桑谷里神楽伝承会殿(新潟県)
新潟県上越市の桑取・谷浜地区(いわゆる桑谷里地区)は、人口2000人にも満たない地区に神職を世襲とする社家が七軒ある。この地区は、現在上越地域で舞いつがれている里神楽の発祥の地と伝えられ、現在も春・秋の例祭には「十二の舞」が神前に奉納される。この貴重な神社を中心とした伝統芸能を後世に継承すべく平成19年本会が組織された。年数回の研修のほかに、「月満夜の里神楽公演会」と題しNPO法人「かみえちご山里ファン倶楽部」と開催している。そのほか子供神楽教室、小中学校文化祭での神楽講習会など多様な活動を展開している。
(3)日高囃子笛の会殿(岩手県)
岩手県奥州市水沢区の日高神社例祭で奉納される日高火防祭りは、300年を超える歴史をもち、祭りに使用される囃子は岩手県の指定無形民俗文化財に指定されている。同会は、日高神社を宗家とし、仙台の笛師匠が吹きつづけてきた音曲を、三代目師匠の中目直吉氏や有識者によってこの音曲を譜面化し、奥州日高囃子「屋台ばやし」して出版するなど、音曲と伝統保持・継承に努めている。毎年旧暦の1月22日の神事「笛魂祭」の吹き初めに参加し、4月22日の日高神社の例祭、28、29日の火防祭りに参加するなど、年間を通じ活動している。
(4)黒川箱岩太鼓殿(岐阜県)
岐阜県加茂郡にある同団体は、昭和57年、自治宝くじの助成を受けて、地元神社の祭典御奉納演奏や盆踊りのお囃子に奉納すべく長太鼓、締太鼓を購入し、設立された。同年10月区民運動会で初発表以来、練習を重ね地域の祭りで演奏。大晦日から元旦にかけては白幡神社、佐久良太神社で年越し奉納演奏を継続し行っている。
また、スペインサラマンカのアヤナ広場で「日本の日」に因み演奏を行うなど、内外のイベントにも積極的に参加するなど活動を展開している。平成8年からは、黒川中学校一年生を対象に、伝統文化体験学習として「箱岩太鼓」の実技指導を開始し、学校の文化祭、夏祭り、敬老会で成果を発表している。
以上4件
平成28年度被表彰者
(1)上村 武男殿(兵庫県)
氏は、文学・詩・哲学に関心が深く作家としても知られる一方、神職としては亡父に関する『上村秀男著作集』等をはじめいくつかの著作があり、亡父の戦前・戦中・戦後の神職としての歩みを纏めている。また、奉仕神社のご祭神である須佐男命に関する「スサノオ考」の論考を『深い森の奥の池の静謐―古代・祝詞・スサノオ』として刊行。この度、江戸後期以来社家として祖先の歴史を尋ね現在の神社・神職のあり方を顧みる『遠い道程 わが神職累代の記』を著した。氏の旺盛な著述活動から神職にとどまらない人生・思索の歩みが見える。
(2)金子 敏之殿(埼玉県)
埼玉県秩父郡皆野町は現在、人口約一万人余・約四千世帯、過疎化が年々進捗している典型的な中山間地域であり、神社は非宗教法人を含めて約二五〇社という多数が鎮座する。同町出身、在住の金子氏は高校時代から、同町の鎮座神社の調査を二十年余にわたり継続し、その間に結果を冊子に纏めている(平成10年・21年)が、この度それを増補改訂した本書が自費出版された。増補改訂内容は、過去に調査した神社の変更事項の確認、記載漏れとなっていた神社を調査対象に加え、また神社の遷宮や統廃合の記録を残すことに取り組んでいる、多数の地図・境内図・写真等によって詳細に把握することができる貴重な内容である。
(3)長野県神道青年会殿(長野県)
平成19年の調査開始よりおおよそ10年の歳月を調査・編集に費やし、平成28年4月に完成発刊。当初は平成20年の長野県神道青年会創立六十周年記念事業の一環として計画されたが、諸事情により作業が中断され頓挫しかけた。しかし、神道青年会会員の戦歿者慰霊顕彰に対する熱意と関係者有志の協力のもと、平成25年に本格的に調査を再開した。既存の関係刊行物記載情報を柱として、対象の調査をするなかで発見された該当施設についても、多数収録されさており、調査再開後の熱意と努力が実った一冊である。
(4)美保神社神事奉賛会殿(島根県)
美保神社(島根県松江市)には、特殊神事としての青柴垣神事と諸手船神事がある。いずれも記紀神話の国譲りを儀礼化した神事である。この祭礼の独自性は、厳しい精進潔斎を伴う当屋制度である。この界隈の住民約250世帯が、美保神社の氏子であり、この特殊神事を三百年以上にわたり口伝で継承してきた。祭礼当日まで、夥しい準備と手続きがあり、一切の段取りを氏子組織が担っている。古代の神話を守り続けることを使命と受けとめるこの小さな集落は、祭りを通して、いまも、昔ながらの祭りに対する真摯な取り組み、郷土愛、連帯感などが、子供たちに心身ともに受け継がれていく大切な形を美保神社奉賛会を中心として守り続けている。
(5)宮崎県神道青年会殿(宮崎県)
この度、同青年会が刊行した『大東亜戦争終結七十年記念誌 守ルベキモノ 伝ユベキモノ』は、大東亜戦争終結七十年の節目にあたり、靖國神社をはじめ、全国の旧指定護國神社、宮崎県内の忠魂碑や慰霊碑等の概要を一冊に取り纏めた記念誌である。本誌の特徴は、昭和59年刊行の『神武天皇論 宮崎神宮史』を引用し、開戦から終戦に至る宮崎神宮内外の動向を当時の社務日誌等から紹介し、続いて宮崎縣護國神社等の慰霊碑、忠魂碑など、宮崎県内の戦没者慰霊顕彰の姿が、その歴史を踏まえ理解できることである。その上、大東亜戦争終結七十年事業として実施した慰霊祭などの模様も併せて報告しており、貴重な資料ともなっている。
以上5件
平成28年度神道芸能普及費受給者名
(1)はくい獅子舞保存活性化実行委員会殿(石川県)
同委員会は、平成27年に結成され、三年目を迎えた。羽咋市を中心とした口能登地区の
祭礼で行われる「獅子舞」を、地域アイデンティティを構成する重要な伝統芸能と位置づ
け、これを後世に保存・継承するための活動を行っている。地域に根差した振興文化、地方神社固有の伝統慣習や祭礼行事を振興充実させるべく、氏子意識の昂揚と神社の伝統に立脚した事業内容といえる。この活動を通して、祭礼での獅子舞を担う関係団体等の仲間の交流をはかり、地域の神話と振興を目的として活動を行っている。
(2)蔵王稚児舞の会殿(新潟県)
金峯神社に伝わる蔵王稚児舞を伝承する。稚児舞は、江戸時代正徳年間頃に伝わった出雲流神楽であり、金峯神社に伝わる二十四座ある里神楽のひとつが「稚児の舞」である。講師と小中学生約15名で構成され、主な活動として金峯神社の例祭に稚児舞を奉納している。
(3)長命講伊勢踊り殿(愛媛県)
愛媛県八幡浜市穴井の神明神社に伝わる「長命講伊勢踊り」は、約四百年前に流行した伊勢踊りがこの地方に伝わったもので、当初は年三回の開催であったが、1765年ころから毎月11日に行われ、今日では農繁期を除き従来通り執り行われている。この伊勢踊りは、踊りの形態は当時のものであり、踊り手と歌い手双方で和する形で踊り、一踊り約20分、旧正月の11日には午前3回、午後3回と舞われ、他の月は午後3回踊りを奉納する。往時の伊勢踊りの様子を残す貴重な芸能である。
(4)嚴島神社雅楽会殿(愛媛県)
同雅楽会は、平成21年神社の雅楽愛好の職員により結成、設立以来、会員の技術向上のみならず、神社の祭典で奉奏することにより、氏子崇敬者に対する教化活動にも繋がるよう日々研鑽している。また、次世代を担う小・中学生に雅楽を体験させることにより、我国の伝統文化の素晴らしさを知る機会を与え、青少年の健全育成と地域活性化の一助となるよう努めている。
(5)熊野神社「薩摩硫黄島メンドン」殿(鹿児島県)
鹿児島県は多くの離島がある。その中の一つ硫黄島に伝わる熊野神社の特殊神事「薩摩硫黄島メンドン」は、毎年旧暦8月1日、2日に鹿児島県指定無形民俗文化財「八朔太鼓踊り」の終盤に登場する仮面神のことで、熊野神社前にて奉納される。仮面神の手にした神木で暴れまわり、神木にたたかれると魔が払われるといわれている。三島村の仮面は、ニューギニア・八重山諸島等の仮面神とのつながりの中で位置づけられると思われ、原初的な神の姿を想起させる。古老の話によれば慶長年間の豊臣秀吉の朝鮮出兵に由来するといわれ、島民の氏神さまに対する信仰心も篤く、貴重で重要な神事芸能である。
神道芸能普及費支給(別枠)
《本年度支給対象者》
(1)上沼訪印神楽神議会殿(宮城県)
同会は、登米市中田町上沼鎮座・八幡神社の神楽保存会として、同神社の祭礼奉仕は
もちろんのこと地域行事、民俗芸能大会等にも多く出演し活動している。法印神楽は、仙台藩の北部に発祥したとみられ、大別すると二流派がある。「上沼加茂流法印神楽」は「流神楽」に属し、中断期を含め二百年以上の歴史を有している。当該地域は県内北部に属し、東日本大震災の発生に伴い過疎化・少子高齢化が進む中で、神社ひいては地域の交流・活性化に伝統芸能が有する価値は益々高まっている。
(2)上町法印神楽保存会殿(宮城県)
同保存会は、登米市豊里町鎮座・稲荷神社の神楽保存会として精力的な活動を展開している。右の示す二流派の「浜神楽」に属する。起源については、資料消失のため定かではないが、神社の歴史、近在の法印神楽との関係性を踏まえると江戸中期と考えられる。この神楽は体育の日前日に稲荷神社で奉納され、「まめからさん祭り」としても親しまれている。一見地味な内容に思える演目も、法印神楽の主たる所作が込められ、鉾と扇を華麗に捌きながらも印を結びつつ舞う姿は「至高の地舞」とよばれるに相応しい高貴なかぐらである。
以上7件
平成27年度被表彰者名
(1)湯澤 貞 殿(埼玉県)
氏は、平成16年靖國神社宮司を定年により退き、以後靖國会総代などを務めながら、忠霊の慰霊、顕彰、啓蒙活動に尽力し、終戦70年の昨年『靖國神社のみたまに仕えて』を上梓。
本書は、氏の47年に及ぶ神明奉仕の半生が綴られ、わけても所謂「靖國神社問題」についての記述は、当事者としての信念や具体的対処などが述べられ貴重な証言となっている。
また、俳人としても活動し靖國神社退職に際して句集『散る桜』を出版するなど、神道文化に貢献。
(2)雅楽道友会殿(東京都)
雅楽道友会は都内神社での祭典奉仕はもとより、北は北海道函館から南は長崎市まで、その祭典奉仕・演奏会の助勢など活動が広範囲に及び内容も多岐に亘る。近年では東日本大震災の被災神社で継承されてきた伝統芸能の支援活動も行うなど、これまで五十年にわたり民間への雅楽の普及と技術向上に果たした役割は大きい。
(3)和歌山県女子神職会海南海草支部殿(和歌山県)
同支部は、平成20年より独自の事業として神話紙芝居を継続して製作・上演している。この事業には支部全員で取り組み、毎年、支部内神社の夏祭りや子供が集まる機会、小学校での上演なども7回以上となり、子供やその父兄を対象に日本文化の伝承に努めてきた。現在、支部外の神社からの依頼も受け、工夫を凝らした活動に取り組んでいる。
(4)永崎ひまる殿(東京都)
氏は、絵馬師として多くの神社に「大絵馬」を奉納するなど敬神の念が篤く、また日本文化の「和紙」の普及にも尽力、和紙絵馬製作などで活躍している。甲斐國一宮淺間神社他に大絵馬奉納をするなどの傍らワークショップを開催し、絵馬の歴史、意義、作り方などについて教化・普及に尽力している。
(5)正院町雅楽会殿(石川県)
石川県神社庁珠洲支部にある正院町雅楽会は、多年に亘り活動拠点の羽黒神社及び珠洲支部主催の祭典等に演奏奉仕しながら、青少年の奏者育成にも尽力している。また、学校及び老人施設等の演奏活動にも積極的に取り組んでいる。現会員は、宮司、成人、青少年で構成され、毎年練習会を開催し、恒例祭や支部事業等に演奏奉納し、活動が評価される。
(6)加藤三千雄殿(石川県)
氏は、昨年、本居宣長を訪ね、私塾鈴屋の門人となった祖先、酒垂神社第十二代宮司加藤吉彦が著した書をもとに『千尋の浜草と藤のかき葉―酒垂神社十二代宮司加藤吉彦の生涯―本居宣長門人―』を上梓した。氏は、古文書の専門家ではないが、先祖の事績を紹介するとの一心で著した本書は、当時の神職の活動を垣間見ることができ、史料的にも価値の高いものとして評価される。
以上6件
平成27年度神道芸能普及費受給者名
(1)秋津住吉神社百石踊西戸保存会殿(兵庫県)
住吉神社では、氏子地区十一ケ村のうち九ケ村に、室町後期頃の発祥とされる旱魃時のみに雨乞いを祈願し奉納する百石踊りが伝わっている。百石踊りは、定期的に演じられることはなく、生え抜きの長男のみ踊ることが許され、記録も一切認められない厳しい決め事があり、幻の神事芸能として歴史に刻まれてきた。しかしそのような中、平成24年より定期的に秋津百石踊りを演じるこことなり、その伝承に力を注いでいる。
(2)三島伶人会殿(新潟県)
同会は新潟県神社庁管内の伶人が集い、技能の習得・向上や後継者の育成を目的として昭和43年組織された。主な活動として鎮守神社の春秋例大祭にて奏楽や神饌献饌の補助、里神楽等の神楽舞を奉納するとともに、2年ほど前からは毎年2月に各地区の高齢者福祉施設を慰問し公演を行っている。また、第六十二回神宮式年遷宮では奉祝行事にて里神楽を奉納するなど、地区内外にて幅広く活動し、伝統芸能護持継承に尽力。
(3)宮城野獅子舞保存会殿(神奈川県)
同保存会は、箱根町の宮城野に伝承されている伊勢大神楽の獅子舞を継承する団体である。獅子が湯立をするという全国でも希少な伝統神事芸能で江戸時代の安永5年(1776)に甲州郡内吉田村の萱沼儀兵衛により、仙石原並びに宮城野の里に伝えられたのが始まりと明確に書見され、爾来240年の長きに亘り、氏子青年の手によって厳格な戒律と精進潔斎を尽くす行法・作法等が厳重に継承・継続されている。
(4)仙石原神楽保存会殿(神奈川県)
箱根町の仙石原に伝承されている伊勢神楽系の獅子舞を継承する団体であり、同上の宮城野獅子舞保存会と歴史を同じくする。同上保存会と合わせ「箱根湯立獅子舞保存会」と称する。
(5)宅宮神社の神踊り保存会殿(徳島県)
宅宮神社の神踊りは、古く平安時代末頃から始まったと伝えられ、毎年8月15日に五穀豊穣、悪病退散を祈願して氏子馬組が輪番で古式豊かに奉納されてきた。この踊りは、古風を今に伝え一度も中断することなく続いてきたことに価値がある。戦後間もない昭和26年全氏子をもって構成される保存会が発足し、氏子が町内の十二の地区ごとにつくる「馬組」が毎年持ち回りで奉納している。
(6)日吉神社太田獅子舞保存会殿(石川県)
太田町の獅子舞は、日吉神社の祭礼において、神事の「露祓行事」として、古くより伝承され現在に至る。時代の流れとともに地域の少子化が進み、断絶が危惧されたが、昭和61年保存会を結成し、獅子舞の次世代への継承、技術の向上、地域の活性化に取り組んでいる。また昨今は地域巳ならず他の地域神社においても慶賀祭・奉祝祭などで獅子舞の演舞を行うなど活動範囲をひろげている。
(7)住吉神社御神事太鼓保存会殿(石川県)
能登住吉神社は、仁徳天皇の御代、奉斎されたとあり、古く大宮と称された。御神事大太鼓は別名大宮太鼓とも称され神殿に祀られた奇面をつけ神のしもべと化した者たちが日本海に立ちはだかる荒々しい岸壁のごとく打ち鳴らす音は、近隣諸国のものまで魅了し、昔も今も氏子の誇りとなっている。
神道芸能普及費支給(別枠)
《本年度支給対象者》
(1)夏井大梵天神楽保存会殿(岩手県)
同保存会は、昭和52年に結成されたが、歴史は古く、神楽を継承してきた家の伝承によると先祖が山伏修験者で、山伏神楽の系統であるという。一時中断されたが、山伏神楽の特徴の一つである権現による春祈祷、火伏祈祷などの儀礼的な要素が大切に継承されている。
平成6年からは小学校高学年、中学生への指導なども行っている。
(2)山根神楽殿(岩手県)
山根神楽は、昭和50年、久慈市山根町内各地区に伝わる神楽の衰退により保持継承のために合同の神楽団体となり設立された。現在は山根町唯一の神楽団体として、毎年久慈市及び近隣町村の祭典に神楽奉納おこなうなど、普及に努力している。
以上
平成26年度被表彰者名
(1)宮﨑義敬殿(山口県)
氏は山口県における神道講演の伝統を継承する神社界随一の神道講演者として知られる一方、神道政治連盟会長を四期務め、その間に神道精神を国政に反映させ日本の伝統と文化を守るために尽力した功績は大なるものがある。また昨年平成26年には、『一神職の本音』という書籍を著すなど、これまでにも多くの著書があり、長きに亘り神道文化の普及と昂揚に貢献。
(2)小林美香殿(東京都)
氏は神社奉仕の傍ら、自立した研究者としての道を歩み、近年、主要図書『女性神職の近代』、『昭憲皇太后からたどる近代』を著している。前者は、丹念に史料を繙きながら従前「巫女」という範疇で認識されがちな「聖」の領域に関わる女性を女性神職の歴史に位置づけ考察したものであり、後者は、昭憲皇太后が日本の近代化推進、伝統文化継承に果たされた御事蹟を詳らかにしている。両書とも学術的価値が高く神道文化の昂揚に貢献。
(3)今泉宜子殿(東京都)
氏は、明治神宮国際文化研究所主任研究員として研究活動に励む中、此の間、単著3冊共著を数冊刊行するなど著作活動にも力を注いでいる。本会では、とりわけ『明治日本のナイチンゲールたち ―世界を救い続ける赤十字「昭憲皇太后基金」の100年―』が、その副題に示されるように国際機関である赤十字に寄せられた昭憲皇太后基金の設立から現在の状況、世界各地での救援活動に活用される実態を検証したものであり、皇室を中心とする日本の特性、神道文化の理解に貴重な役割を果たす研究として高く評価された。
(4)稲田美織殿(東京都)
氏は、美術大学卒業後、中学校の美術教員を務めたのち、ニューヨークでフリーのカメラマンとなる。平成13年(2001)、偶然自宅マンションでニューヨーク同時多発テロに遭遇し、以来、その衝撃と失意の中、世界各地の聖地を求め数多の写真を撮影し続けているうち、最終的に日本の聖地伊勢神宮に辿り着いた。未知であった神宮について学び、足を運び『水と森の聖地 伊勢神宮』等を刊行。内容は万人を神道の世界観に引き込む魅力をもち、フォトストーリーとして伊勢神宮の美と調和を遺憾なく著すなど、神道文化の普及に貢献。
(5)北海道神宮殿(北海道)
同宮は、元の神社名を「札幌神社」と称し、戦前北海道で唯一の官幣大社に列せられていた。昭和39年、創建以来の御祭神である大国魂神・大那牟遅神・少彦名神「開拓三神」に加え、新たに明治天皇を奉祀し、神社名を「北海道神宮」と改称。平成26年は明治天皇御増祀から五十年に当たり、同宮は國學院大學研究開発推進センター編による『北海道神宮研究論叢』を刊行。同書は北海道神宮創建以来、その歩んだ道程を多様な角度から論究し、新たな北海道神宮像を提示。また、それに止まらず近代神道史、さらには北海道近代史に資する充実した内容で評価された。
(6)開拓判官島義勇顕彰会殿(北海道)
今から150年前までは、原野であった札幌。それまでは、蝦夷地とよばれていた北の大地も、明治2年「北海道」と名を改め、開拓使が設置された。佐賀より赴任した開拓判官島義勇は明治天皇の大御心を戴き北海道開拓に尽力し、北海道神宮の創建にも深くかかわった偉人である。島判官は、北海道開拓の父、札幌開府の先人と評価されているが、近年はとくに取り上げられることもなくなった。本顕彰会は、偏向した歴史観のもとに開拓の歴史が風化される中『島義勇伝』を刊行。北海道の郷土教育に一石を投じている。地元漫画家に依頼し、郷土史家、佐賀県研究機関などの協力を得て学術的にも優れた内容であり、本書は児童からお年寄りまで、幅広く親しまれる書籍として評価される。
(7)齋藤壽胤殿(秋田県)
氏は、神明奉仕の傍ら、平田篤胤佐藤信淵研究所研究員、秋田民俗学会理事などの役職をもち、主に地元秋田を中心に活動を展開している。地元では民俗学者として知られ、学会誌『秋田民俗』や、タウン情報誌『あきたシティマガジンきたかぜ』等を通して県内神社のお祭りや民俗行事などを紹介し神道教化につとめている。また近年では、神道文化を根底においた文で、無料配布マガジン『楽園』(シニア向け情報誌)にコラムを担当し、本年コラムを纏め出版を予定している。一方学術論文も数多く執筆し、神道文化の普及に貢献。
(8)眞情会殿(山口県)
同会は、昭和51年、主宰者である青田國男(赤間神宮禰宜)氏が、歴史に興味を抱く高校時代の友人と始めた同好会であった。当初は年二回ほどの間隔で、「神典を学ぶ会」「和歌の会」などを催し、会誌を発行していたが現在は年4回(季刊)となり、35号以降数学者岡潔氏の京都産業大学講演録を連載するなどして、平成26年100号に達した。また同会の活動は会誌発行に止まらず、「禁門の変」(昨年で150年)でなくなった長州藩士の首塚のある京都・上善寺において『慰霊祭』を奉仕し、また三島由紀夫・森田必勝両烈士を追悼する『憂国祭』等を奉仕するなど、日本人の精神文化の核心に触れる活動を展開していることが評価された。
以上8件
平成26年度神道芸能普及費受給者名
(1)藤沢湯立神楽保存会殿(神奈川県)
同保存会は、昭和初期に設立され、約八百年前に京都の石清水八幡宮から鎌倉・鶴岡八幡宮に伝わった湯立神楽を継承している団体である。清めや祓いを中心とする。神職神楽で、同会の神楽には打囃子、羽能、御祓、御幣招き、御湯、中入れ、掻湯、大散供、湯座、射祓、剣舞、毛杼伎の十二座があり、神楽自体を神事とする神楽である。毎年、各神社例祭および湯立神楽助勤奉仕として、神楽を奉納し、第六十二回神宮式年遷宮奉祝奉納行事として、内宮参集殿において湯立神楽を奉納した。夏場の奉仕のため、装束など傷みやすく助成金にて補填。
(2)北風原鞨鼓舞保存会殿(千葉県)
同保存会は、昭和29年に設立された。同鞨鼓舞の歴史は、天文年間、千葉里見氏による雨乞いの祈願から始まる神事であり、北風原鎮座の春日神社によって伝承保存されている。演舞は舞人が腹に鞨鼓をつけ、頭に獅子舞をかぶり、三獅子によって勇壮に舞われるもので本神事は雨乞い祈願の古い特色を残しており、神事そのものに貴重な文化的価値および神道的意義がある。主な活動として、春日神社の祭典で舞われるほか、郷土芸能のイベントなどでも披露し活躍。
(3)鍋地獅子舞保存会殿(愛媛県)
同保存会は、平成5年10月今治市鍋地地区秋祭りにおいて、氏子有志により祭りに華を添えるべく、獅子舞を舞って以降、5年の歳月を経て、地域に根付いた。平成10年その愛好会を発展的に解散し同保存会を設立、今日に至る。保存会では、地域の伝統芸能として後世に伝承し、氏神さまのもと文化の発展に寄与すべく活動を展開している。活動は、毎年10月に行われる四良神社(四郎明神社)の秋祭りに神輿のお供として獅子舞を行う。盆が過ぎたころから獅子舞の稽古を行うことは、老若男女のつながり、地域の円滑化を図るうえでも保存会の役割は大きい。
(4)本川神楽保存会殿(高知県)
同保存会は、平成4年7月に設立された。設立の経緯については、室町時代に旧本川村中野川河川敷で舞ったのが創めとされる古い神楽を、国指定重要無形文化財にも指定されたこともあり、さらに盛り上げるために保存会を設立することとなった。土佐の神楽唯一の夜神楽として、野趣的な雰囲気を漂わせ、末永く継承されていくことが望まれる。野趣的な神楽のため、損傷も激しく、常に補充を余儀なくされることが懸念材料となっている。
(5)黒尾神社殿(鹿児島県)
黒尾神社は、薩摩半島から約五十キロ離れた海上の鹿児島郡三島村黒島大里に鎮座する旧村社である。現在は照國神社宮司島津修久氏が同社の宮司を兼務している。黒尾神社の由緒は定かではないが、三百年以上前から祀られていると推定される。この神社には代々日高太夫家(神職)を中心に社家士と呼ばれるそれぞれの神役目(祭の進行役)や悦当(清掃準備、太夫の荷物持役)らがあり、神事が継承されている。この祭りの神事が非常に珍しいもので、現在の「神社祭式行事作法」に則るものではなく、旧儀にて神事を斎行している。前太夫と現太夫は旧儀にて神事行事を執行いるが、神職の資格がないため宮司不在神社として扱われ、大切な神事継承が危ぶまれるため、照國神社宮司が兼務するかたちをとっている。
以上5件
神道芸能普及費受給者(別枠)
(1) 山谷獅子踊り保存会殿(岩手県)
山谷獅子踊りのルーツは、東北地方に多くの神社を建立した坂上田村麻呂が閉伊討伐の際戦勝を祈願した鬼抜大明神が宝暦年間に、大沢浜川目から、現門馬に社殿を新建築したときに神に奉納されたことが始まりとされている。その踊りが閉伊川流域、花輪、老木、根城を経て、根城から大沢に嫁いだ縁のものから伝えられ、現在の山谷地区に伝わり踊り継がれている。震災で中止されていたが、毎年8月に行われる魚賀(なが)浜間(はま)神社の例大祭に平成24年より参加するなど活動を展開している。
以上1件
平成25年度被表彰者名
(1)式年遷宮記念せんぐう館殿(三重県)
せんぐう館は、第六十二回式年遷宮の付帯事業として計画され、平成24年4月7日、外宮勾玉池池畔に博物館として開館。同館には、外宮原寸大再現模型、御装束神宝調製工芸品を中心資料として展示されているが、来館者が、無理なく館内を一周することを想定し、展示解説は簡易を心掛けている。また、講演・講座・フロアガイドを随時開催することにより、容易に遷宮や神宮、神道への理解を高めることに努め、今後も親しまれる博物館として教化活動をつづけ、次期遷宮に向け活動を展開している。
(2)千葉県神社庁「房総の伊勢信仰」企画委員会殿(埼玉県)
千葉県神社庁は、第六十二回神宮式年遷宮の募財活動の目途がついた平成20年から遷宮の奉祝とともに、20年後の遷宮の奉賛に繋げて行く方途として『房総の伊勢信仰』編纂のための委員会を設け、5年の歳月をかけ調査し、同書を刊行した。執筆には、県内神職19名が執筆を担当し、房総の地に残る古くからの伊勢信仰の足跡、祖先の伊勢への思い・姿を纏め、その内容が高く評価された。
(3)鳥取県神社誌編纂委員会殿(鳥取県)
鳥取県内には県内神社を網羅した書籍が、昭和9年刊行の『鳥取縣神社誌』以降なく、内外から「神社誌」発刊の要望の声が多く寄せられていた。その声に応え平成の御大典を機に神社誌編纂事業に着手。20余年の歳月を掛け『新修 鳥取県神社誌 因伯のみやしろ』を刊行。その内容は第1編に神社誌、第2編は神社概説とし歴史、概説、祭神と信仰、神社建築、また指定文化財が網羅され、第3編には鳥取県の神祇年表が収められており、今後の神社関係の基礎的資料として高く評価された。
(4)秋永勝彦殿(大分県)
同氏は、平成2年に帰郷後、本務神社で宮司を務めながら、過疎化と高齢化の進む地元の活性化をめざし奔走。就任後すぐの平成2年には社報「かしは手」を創刊(年4回発行) 、今日まで23年間に及ぶ。平成11年には、第1回全国神社広報紙コンテスト最優秀統理賞を受賞した。同氏の活動は執筆のみにとどまらず、耶馬溪・雲の森コンサートを実施(平成4年から年1回。20年まで) し、そのアーティストのジャンルも多彩で好評を博した。また雅楽教室を開くなど多岐に亘る活動は一方的な教化に限定されず、地域社会と共同する模範となる神社活動として高く評価される。
(5) 一般社団法人皇室崇敬会殿(沖縄県)
本崇敬会の前身は、昭和聖徳記念財団沖縄支部であり、公益法人制度に伴う同財団の移行を機に、平成24年7月に一般社団法人の登記を完了し独立。活動の手始めとして『昭和天皇 遺されし御製』を平成25年4月29日に刊行。皇室の崇敬の念を軸に活動を展開しているが、前身が昭和天皇聖徳財団沖縄支部ということもあり、以前より昭和天皇御製碑建立にも尽力し、御製への思いは深く、同書の編者は、昭和天皇が遺された御製を日本国民はもちろん沖縄県民にも識らしめたいとこの書を著した。沖縄県民による昭和天皇の書であることが意義深く評価された。
以上5件
平成25年度神道芸能普及費受給者名
(1)天下一関白獅子舞保存会殿(栃木県)
天下一関白獅子舞は、1100年前の延喜12年以来の縁起を持ち、全国に流布伝承されている一人立ち三匹獅子舞のうち関白流獅子舞の始祖である。本保存会は、昭和28年に栃木県指定民俗無形文化財の指定を受け、同28年第五十九回神宮式年遷宮のおりには、獅子舞を内宮・外宮に奉祝奉納した。また今回の第六十二回神宮式年遷宮奉祝団体として、内宮奉納し、保存会地域全員の参加によりその任を果たすなど活動している。
(2)富山県神社庁雅楽部殿(富山県)
同雅楽部は、平成15年10月富山県神社庁所属の神職により構成され、雅楽・舞楽神楽舞を通して神道教化活動に資するべく設立された。これまでの活動として、学校関係での演奏活動12回、神社関係での舞楽奉納28回、公的機関での文化交流会などにも参加し、海外交流に貢献するなど活動を展開している。
(3)都多獅子舞保存会殿(兵庫県)
本保存会は、兵庫県宍粟市山崎町鎮座の桓武伊和神社の氏子により昭和58年10月に設立された。設立以前は同神社のうち「中の自治会」だけで舞われていた獅子舞を同神社の全氏子を対象に会員を募集し、「都多獅子舞保存会」を結成。郷土芸能の継承に取り組んできた。主な活動は、結成以来31年間桓武伊和神社の例祭(秋祭り)に奉納、20年前からはこどもの獅子舞にも取り組むようになり、小学高学年に舞、太鼓、笛拍子木を教えるなど後継者育成に力を注いでいる。
以上3件
【Ⅱ】神道芸能普及費支給(別枠)
《本年度支給対象者》
(1)請戸芸能保存会「苕野神社の田植踊」殿(福島県)
福島県双葉郡浪江町請戸の海浜直近に鎮座の延喜式内社苕野神社は、毎年2月の第3日曜日に斎行される「安波祭」などで、福島県下では有名な神社である。このたびの東日本大震災に伴う大津波により全ての社殿・工作物は完全に流失し、神社は跡形もなくなり、多くの犠牲者を出した。難を逃れた住民も全員県内外に避難し現在氏子区域は無人状態である。福島県神社庁では、苕野神社が県内被災の神社の中で、宮司がただ一人犠牲となった神社であり、苕野神社の復興が福島県内神社の復興ととらえ、支援し、神社本庁総長参列のもと復興祈願祭を斎行した。同保存会の「田植踊」も復興祈願祭に併せ仮設住宅で田植踊りの上演を行い、活動を開始し今日にいたる。
以上1件
第14回 平成24年度 6件
1.神奈川県神社庁教化委員会殿【神奈川県】
本委員会は、青少年に対する教化育成事業として神話の普及を目指し、平成十六年より始めた公演「親子で親しむ日本神話」は、県内神社や老人ホーム等を巡り、公演回数は60回を数える。また、子供向け神話冊子『みんなの神さま』の刊行も5冊となり件に伊神社やホームページを通し一般の人々にも無料で配布するなど勝籐を展開している。
2.久伊豆神社奉仕会殿【埼玉県】
本奉仕会は、境内清掃や祭事の手伝いをはじめ、先年『越谷の神社』を刊行するなどの活動を展開している。また近年ダイオキシンや二酸化炭素の問題により伝統行事である「お焚き上げ」等が減少するなか、丹念な分別作業によりその伝統行事を守り続け、神道文化の継承に尽力。
3.久能山東照宮殿【静岡県】
本東照宮は、神社併設博物館に収蔵す御祭神徳川家康公縁の「洋時計」ついての調査を英国博物館時計部門最高責任者に依頼し、重要文化財であるその時計の価値を明らかにし、調査結果を『大英博物館キュレーターによる調査所見及びその考察等報告書』に纏め、御祭神の神徳宣揚に努め、神道文化高揚に貢献。
4.北海道神社庁殿【北海道】
本神社庁が発行した『樺太の神社』は、かつて日本国であった樺太の神社277社の歴史や、また終戦によりそれらの神社がたどった経緯および現況等を多数の地図・写真なども加え、樺太の神社の総体が網羅された大著である。資料的価値にも優れ、樺太地域の信仰史としても高く評価される。
5.清住宗廣殿【長野県】
氏は、神明奉仕の傍ら英語科の教員として、長年教師を務め、その英語力を活かして古事記の英訳に取り組み、古事記編纂1300年の記念の年にあわせ『THE KOJIKI』を刊行。その努力を評価。
6.甲斐素純殿【大分県】
氏は、神職の傍ら故郷である大分県九重町の歴史研究や文化財の調査・保護などにも尽力しながら、還暦を機に累代奉仕の宝八幡宮の1300年の歩みを詳細に纏めた『寳八幡宮と宮司甲斐家 1300年の神社誌』を刊行。神社・甲斐家の歴史を中心としたその地域の多彩な内容は評価される。
第13回 平成23年度 5件
1.府中市遺跡調査会殿【東京都】
昭和50年の設立以来、東京都府中市の埋蔵文化財の発掘調査に取り組み、保存研究に務めてきた。とりわけ、府中市鎮座の大国魂神社境内及びその周辺の発掘調査は、古代国府と総社の祭祀をあきに明らかにするものとして高く評価される。
2.南里空海殿【東京都】
フリージャーナリストで、平成23年春に『神饌 神様の食事から食の原点を見つめる』を出版。先の著書『伊勢の神宮』とともに紹介されたその書は、読者に感動を与えるものとして評価。また、料理本を顕彰する「グルマン世界料理大賞」において「食の寄稿部門」3位に入賞するなど、対外的にも評価されている。
3.山村明義殿【東京都】
作家として全国を巡り、後援や取材を通して日本人の神道精神の探求を続け、昨年9月に『神道と日本人 魂とこころの源を探して』を刊行。あとがきには「東日本大震災により『日本人の本来の祈りと感謝』の姿がはっきりと浮かび上がってきた」と書かれているが、説明することが容易ではない「神道」の持つ普遍性と汎用性に一人でも多く気づいてもらいたいとの思いで出版したことが評価される。
4.久松文雄殿【東京都】
天地初発で始まる古事記を忠実に表した『まんがで読む古事記』を刊行。全国の神社からの註文と売り上げ部数は4万部を越える。また、本年は『古事記』撰上から千三百年目の年に当たるが、『古事記』の完全漫画化は前例がなく、数多く登場する神々を個性豊かに描き分け、内容にも優れ評価されるる
5.西宮神社文化研究所【兵庫県】
平成14年頃より全国の西宮神社に所蔵される古文書の調査をはじめ、平成22年に西宮神社文化研究所を設立し、蒐集した文書の整理・翻刻をおこなった。平成23年にはその成果を元に本殿復興五十年記念事業として『近世諸国えびす御神影札頒布史料集』を刊行。同書は、近世の神職の実態、とくに諸国の神職組織を明らかにするものとして評価される。
第12回 平成22年度 4件
1.笠原正夫殿【埼玉県】
氏は、埼玉県在住の画家で、平成16年度版から、埼玉県神社庁教化委員会で企画・発行のカレンダー「日本の神話」の作画・紙面構成を担当、頒布部数は年々増加するなど尽力している。また、利用者からは、氏の描く神々のやさしい表情や筆使いが好評を得ており、氏の果たす役割は大きい。「神話紙芝居」も製作。神話啓蒙に尽力。
2.安藤智重殿【福島県】
氏は、福島県郡山市鎮座の安積国造神社宮司として神明奉仕の傍ら、自らの祖先である安積艮斎の顕彰活動を展開している。艮斎は、江戸後期の儒学者で、安藤家の生まれ、本姓安積を名乗っていた。氏は、艮斎の記念館の開設・運営・著作活動等を通じ、儒学者である艮斎の神道人としての一面に光をあて、神道文化昂揚に貢献。
3.ボランティアセンター・ラブリーフォレスト殿【三重県】
同センターは、平成13年の設立時より、「森林と人間とのより豊かな関わり合い」をテーマに、地元鈴鹿市に鎮座する加佐登神社の境内整備、神社参拝遊歩道の整備に取り組んでいる。同神社の境内林の荒廃を危惧し、地域の誇りであり拠り所である鎮守の森の保全と、参拝者が自然に親しみ、障害ある人もゆっくり楽しめる空間作りを目指し、バリアフリー遊歩道を構築する近自然工法について研究をすすめ、地元小中学校の生徒らにも参加を促し、神社の杜を整備するなど、同センターの活動は、神道文化の広報活動に貢献。
4.神社史料研究会殿【福井県】
同会は、平成6年12月発会後、東京大学史料編纂所他で研究会を、また毎年一回夏期に全国著名神社の協賛を得てセミナーを開催し、その折に発表した論文を選び、思文閣出版より5冊の論文集を刊行している。その論文集は神社及び社家史料を活用しており、神社神道界にとって重要な論文集として評価される。
第11回 平成21年度 4件
1.愛知縣護國神社殿【愛知県】
平成4年から平成21年までの18年間に亘って『愛知県下英霊社忠魂碑調査報告書』を刊行。この事業は3代の宮司の事業でもあり、昭和34年に井上宮司のもと、県下の英霊社や忠魂碑などの調査を開始したが、伊勢湾台風で中断、その後引き継がれ今日の刊行となった。内容も多岐にわたり評価される。
2.宮澤豊穂殿【長野県】
氏は、大學を卒業後、中学校の教諭として教鞭をとる傍ら、平成4年より『日本書紀』の現代誤訳に取り組み、平成21年に『日本書紀 全訳』を上梓。古事記に比べ現代語訳が少ない難解な『日本書紀』を平易に訳したその努力と功績を評価。
3.富山県神社庁教化委員会教学部会殿【富山県】
同部会は、平成19.20年度の2年間、皇學館大学の荊木教授らとともに、『日本書紀』神代巻の共同研究を実施し、平成21年『日本書紀(神代巻)を読む-富山に祀られた神』を刊行。同書は、神職が古典に親しみ、それによる更なる神職の自覚を促す書として評価
4.竹内荘市殿【高知県】
氏は、平成4年林野庁を退職の後、故郷高知県幡多郡の神社の祭り、文化、歴史を調査したことにより、地方の集落の過疎少子化を実感、鎮守の森と神社を残すべく、自らの足で高知県の神社(2276社)を参拝し、写真鎮座地、祭神、略記を掲載した『鎮守の森は今 高知県内二千二百余神社』を出版。200部限定版から1700部の出版となり、高知県民に神道に対する関心を高らしめた。
第10回 平成20年度 5件
1.小林弘毅殿【山梨県】
敬神の念篤く、浅間神社総代についてより、神社の由来、祭祀の意味等を熱心に学び、『浅間神社歳時記』を作成。また境内の扁額を復刻、揮毫をするなど一総代の枠を超えた大きな業績を残している。
2.宮田力松殿【愛知県】
長年敎育行政に関わり、その傍ら神明社に奉仕。また自身の努力の軌跡や所信を纏めた多数の著書を上梓し、「みずから学ぶ学習態度」を説き続け生涯教育の示範となるものである。
3.平安神宮崇敬会殿【京都府】
創立10周年記念事業として『平安神宮 神苑の生き物たち自然調査記録』を編輯刊行。神社林、神苑の公共的価値の高さを社会に広め、都市部の平地自然植生における生物層を解明し、神苑が生態系の維持機能をもつことを証明。学術的にも評価。
4.かつおぎ会殿【大阪府】
財団法人大阪国学院通信教育部の同窓会組織として、会員相互の交流、研鑽を通じて斯界の発展に貢献。また、さらに上位を目指すべく検定試験の対策講座を開催し、著しい効果を挙げている。
5.全國戰歿學徒を追悼する會殿【兵庫県】
戦歿学徒の追悼施設「戦歿学徒記念若人の広場」の荒廃を嘆き,施設維持、再興にかけての啓蒙活動を続け、次世代を担う全國の青年神職に慰霊顕彰の継承を呼びかけるなど、活動を展開している。
第9回 平成19年度 5件
1.都市と祭礼研究会殿【東京都】
平成16年より2年間、東京都千代田区・神田神社で毎月「嘉永四年神田明神祭礼御用留」を輪読、その翻刻に注釈を付し神田明神選書『天下祭読本』を上梓。江戸天下祭の一翼を担った神田祭の基礎的資料として高く評価された。
2.小倉宗衛氏【東京都】
多年に亘り、神事芸能と関わりをもつ能楽の信仰に努め、能面作家として高い評価を受けている。神社への崇敬篤く、東京都府中市・大國魂神社をはじめ多くの神社に自作の能面を奉納、神道美術の興隆に貢献している。
3.「栃木県神社誌」編集委員会殿【栃木県】
栃木県神社庁設立60周年記念事業として「栃木県神社誌・神乃道 人の道」を編纂、昭和39年刊「栃木県神社誌」を継承しつつ新たに再調査を実施、その内容は学術的にも充実しており、内外の評価を得ている。
4.生田神社殿【兵庫県】
平成12年に迎えた御鎮座千八百年の記念事業として神社編纂史に着手、足掛け7年の編集作業の末、『生田神社史』を刊行。原始から現代に至る神社の歴史を多彩で価値ある史資料を豊富に使用し平易な文章で叙述、新たな「神社史」のスタイルとして評価された。
5.故白井永二氏(感謝状)
神道文化会理事として長きに亘り同会の事業運営に携わり、平成九年からは顧問として助言を与えるなど、本会の発展に寄与した功績は多大。また、奉職神社・鶴岡八幡宮を中心に鎌倉の民俗、郷土史に関する多くの業績を残した。昨年はライフワークの菅江眞澄について『菅江眞澄の新研究』を刊行した。
第8回 平成18年度 5件
1.本吉太々法印神楽保存会殿【宮城県】
平成15年度宮城県ふるさと文化再興事業の一環として『本吉太々法印神楽』を刊行。その内容の充実が評価された。
2.熱田神宮朱鳥会殿【愛知県】
明治維新により廃絶となった元社家後裔の会として昭和三十年以来神道の理解を深めるために、雑誌を発行し纏めた『朱鳥雑考』は評価に値し全国の崇敬団体の範となる。
3.太田正弘殿【愛知県】
東海地方を中心に神社所蔵の資料の調査のかたわら、国初から明治中期までにいたる神道・神社に関する和書3万3600点を目録化した『神道・神社圖書目録』を編輯刊行。研究者の利便ん供した大著が評価された。
4.西川泰彦殿【富山県】
一般には殆ど知られていない大正天皇の御製詩に丁寧な謹解、謹注釈を附した『天地充分春風吹き満つ』を刊行。広く世に伝えた功績が評価された。
5.大塩天満宮獅子舞保存会殿【兵庫県】
昭和63年の設立以来、国内のみならず日本の伝統文化使節団として海外で活動、神道文化の普及にもつとめていることが評価された。
60周年特別表彰 3件
1.マークエステル氏(フランス人画家)
昭和45年の来日以来、日本の文化に興味を寄せ、特に『古事記』をもとに神話ゆかりの新刊・神社に参拝しながら、日本の神話を題材とした作品を画き、画集『日本の神話』を発表。高い評価を得ている。
2.神社オンラインネットワーク連盟殿【福岡県】
近年著しく発展しているインターネットを通じて日本の伝統と神社、神道の正しい知識を広める活動が神社間の連携を図るものとして評価された。
3.故櫻井勝之進氏(感謝状)
長きに亙り、本会の理事、顧問として会の発展に寄与。また神道関係約500篇にのぼる著述があるなどの功績により感謝状を贈呈。
第7回 平成17年度 5件
1.中央乃木會殿【東京都】
約30年に亙り、忠魂碑を中心に乃木希典将軍揮毫の石碑を調査研究。これを『乃木将軍揮毫の碑』として纏め、将軍の至誠籠る碑文の所在を明らかにしたその功績を評価。
2.関根光男氏(東玉川神社宮司)【東京都】
約40年の長きに亙り社頭および教壇において児童生徒を善導し、多くの著作・講演を通して生命尊重・郷土教育の重要性を広く説いたその功績を評価。
3.北方領土文化日露共同学術交流実行委員会殿【北海道】
露国との共同による千島列島の神社調査の結果を纏めた報告書『北方領土の神社』は、北方領土の神社を把握する上での先駆的な業績であり、今後の本格的調査への道を拓いた。
4.山崎洋文氏 (白山神社宮司)【長野県】
神明奉仕の傍ら、郷土史の研究に尽力し、『本城村誌』の編輯を始め、郷土芸能の記録や講演活動等を通して、地域文化の振興に大きく貢献した。
5.広島県標柱調査委員会殿【広島県】
広島県の神社の特色である標柱について、十年以上に亙る調査研究の成果を『廣島縣の標柱』として刊行し、今日では難解となっている神徳宣揚文の内容を判読し先人の神忠を不朽のものとした。
第6回 平成16年度被表彰者 5件
1.鎮守の森CO2吸収調査プロジェクト会議殿【東京都】
学生や青年神職等が参加して、東京都内約六十社の社叢におけるCO2吸収量を調査し、環境保全に社叢が大きく貢献していることを明らかにした。(記念品料10万円支給)
2.天祖神社教化部殿【東京都】
平成11年より「雅楽の普及・伝承による地域の神道教化」を目的として発足し、教育機関にての鑑賞会開催や雅楽技術の指導等を通して、神道文化普及に功績を挙げている。(記念品料10万円支給)
3.石山利和殿(氷川八幡神社宮司)【埼玉県】
50年に亙って奉仕神社の社頭整備と神徳宣揚に勤める傍ら、「新倉 氷川八幡神社史」を上梓し、郷土文化における神社の位置を実証した。(記念品料10万円支給)
4.京都府神道青年会殿【京都府】
昨年(平成16年)、京都国立博物館にて特別展「神々の美の世界−京都の神道美術」を主催し、神道文化の価値を多くの人に伝えた。(記念品料10万円支給)
5.広谷喜十郎殿(土佐史研究家)【高知県】
高知県内各地の神社の由緒・歴史、また山川・巨木・岩石等の信仰伝承について広範囲に調査した成果を、20年に亙って神社庁報に連載、『土佐史の神々』として出版。(記念品料10万円支給)
第5回 平成15年度被表彰者 5件
1.比布神社名誉宮司鎌田三郎殿【北海道】
昭和30年から50年の長きにわたり、北海道護国神社合祀祭において、「祭儀解説」を行い参列者のこころに深い感銘を与えつづけた功績を評価。
2.宮城の正月飾り刊行会殿【宮城県】
宮城県内に残る「きりこ、御幣、かざり」とよばれる正月祭祀用のお飾りについて総合的な調査研究をまとめ、刊行。内容がすぐれ、その地道な努力を高く評価。
3.白山本宮神社史刊行会議(代表山崎宗弘氏)【石川県】
平成20年に白山比め神社御創建二千百年を迎えるにあたり刊行会議を組織し、図説・通史・年表の三部構成で編纂、発行を計画。刊行された図説は内容が充実、今後に期待。
4.堺こおどり保存会殿【大阪府】
古い由来をもち、中世の「風流踊り」との共通点なども指摘される貴重な神事芸能である「こおどり」の保存に尽力。とくに子供たちに伝統、伝承の大切さを認識させ育成に尽力。
5.全国一の宮巡拝会殿【東京都】
平成10年に設立されていらい全国の一の宮の啓蒙宣伝につとめ、広報活動、独自の朱印帖の作成と普及など、神道文化に貢献。
第4回 平成14年度被表彰者 5件
1.高橋 昭殿【群馬県】
長く神明宮の総代として奉仕の傍ら、神明宮の創建に関わる白さぎ伝説を中心に『神明宮の歴史』を刊行。神徳宣揚に貢献
2.広島県青年神職会殿【広島県】
9年間の年月を掛け『広島県神社建築』を刊行。県下代表社106社を対象に調査。神社建築の特質を明確にした精緻
3.上五島神楽保存会殿【長崎県】
複雑な伝承形態をもつ「五島神楽」につき、保存育成に努力。五島神楽の諸相を丹念に調査・整理し『五島神楽の研究』を刊行。
4.故西田廣義殿【特別表彰】
20年の長きにわたり本会監事として尽力。一方、斯界における時局対策の第一人者として活動。多大な功績に感謝。平成15年2月2日逝去。
5.故上田賢治殿【特別表彰】
昭和63年より本会常務理事として運営に尽力。とくに寄附行為改正後の新事業を開設し、会の活動に多大な貢献。平成15年3月27日逝去。
第3回 平成13年度被表彰者(創立55周年) 8件
1.明治神宮農林水産物奉献会(会長加藤源蔵氏)【東京都】
会の三十周年記念出版書『都市に息づく心』を刊行。また、活動が明治神宮のみならず全国に及び、神道文化に貢献。
2.藤原茂男氏(若宮八幡宮宮司)【山梨県】
県内神職家に伝わる古文書を解読して庁報に解説の執筆を続け、『実例古文書解説を刊行し、一般神職に古文書を紹介した業績。
3.上杉千郷氏(学校法人皇學館理事長)【三重県】
著書『狛犬事典』は内容も多岐にわたり、狛犬学の貴重な資料として高く評価される。
4.塩澤重義氏(郷土史家)【静岡県】
著書『国学者小國重年の研究』は、小國神社祠官でもあった小國重年の生涯を詳らかにし、遠州を中心とする国学運動研究の成果として意義深い。
5.愛知県神社庁豊橋支部(支部長白井清夫氏)【愛知県】
豊橋支部刊行の『豊橋市神社棟札集成』は、棟札の銘文を正確に採録した貴重な信仰資料であり、地道な作業を高く評価。
6.上杉千年氏(日本教師会参与)【岐阜県】
著書『猶太難民と八紘一宇』は、日本人の人道的な精神文化を具体的な事例に則し検証し、とくに杉原千畝氏の功績について論述を高く評価。
7.大森利憲氏(彌彦神社宮司)【新潟県】
著書『峰の桜』は、彌彦神社のご祭神について青少年に理解できるよう工夫し、平易に書かれ、神道教化に貢献。
8.岡島隆夫氏(金刀比羅神社禰宜)【徳島県】
著著『阿波の神々と祭り』は、一般にも神道理解を促す好著として評価。
第2回 平成12年度被表彰者 5件
1.日長神社宮司中澤三千夫氏【愛知県】
昭和45年12月より教誨師として永年活動のかたわら多方面にわたる今日的課題を神道観に基づき論し、数多の冊子を刊行。
2.長田神社追儺式奉賛会殿【兵庫県】
室町に淵源を発するという長田神社追儺式の神事斎行のため氏子中心に結成され、伝統芸能の保存維持に努力。
3.増田春子氏【大阪府】
日本の郷土玩具を後世に伝えるべく自らの画才を生かし、美しい暖かな絵本としてシリーズ刊行。伝統文化に寄与。
4.社会福祉法人いわみ福祉会「桑の木園芸能クラブ」殿【島根県】
福祉施設において、石見神楽を取り入れた活動をおこない、園生の育成をはかり、対外活動を通し伝統文化普及に貢献。
5.八幡神社宮司田中重雄氏【広島県】
郷土のみならず、備後地方及びその周辺についての祭り、とりわけ神楽を調査研究し、その論考を『備後神楽』と題し、刊行。
第1回 平成11年度被表彰者 7件
1.矢野憲一氏(神宮禰宜)【三重県】
神明奉仕の傍ら地域活動を通じ神宮の神徳宣揚に尽瘁。
2.明治神宮宮司外山勝志氏【東京都】
御鎮座80年を記念して『明治天皇さま』『昭憲皇太后さま』を刊行、学術的にも評価され、御神徳宣揚に功績。
3.常磐神社宮司武浪嗣一氏【茨城県】
昭和50年より水戸学講座を開講し、御祭神の御神徳景仰を通し、水戸学を研鑚、講録を刊行し神道文化に貢献。
4.所 京子氏【岐阜県】
『斎王の歴史と文学』を刊行。斎王の史的研究に貢献。
5.筥崎博生氏【千葉県】
神明奉仕の傍ら、『神道史概説』を刊行。神道普及に功績。
6.大阪府伶人楽士の会殿【大阪府】
浪速神楽の伝統保持と普及のため現存する神楽のビデオテープに収録。講習会等を開催し伝統保持に努力。
7.『北海道神社庁誌』編纂委員会殿【北海道】
神社庁設立50周年記念事業として編纂。神社本庁包括下以外の千島樺太の神社も精査。神社の史的研究に貢献。
第24回 平成25年5月 5件
豊田子ども神楽【新潟県】
湯之尾神楽保存会【鹿児島県】
牛渕昭和倶楽部【愛媛県】
岩津神楽保存会【愛知県】
万呂の獅子舞保存会【和歌山県】
第23回 平成24年5月 3件
日野囃子保存会【東京都】
榊雅楽会【愛媛県】
三重の獅子舞操作員会【佐賀県】
第22回 平成23年5月 3件
菊間八幡神社十二座神楽保存会【千葉県】
日光弥生祭付祭保存会【栃木県】
紀州「三郷八幡神社幟上げ」「短冊上げ」【和歌山県】
第21回 平成22年5月 3件
竹駒奴奉仕講【宮城県】
川根本町徳山古典芸能無保存会【静岡県】
柏崎・刈羽神楽上演実行委員会【新潟県】
第20回 平成21年5月 3件
万九千社立虫神社神代神楽保存会【島根県】
神代御宝踊保存会【徳島県】
高江町太郎太郎踊り保存会【鹿児島県】
第19回 平成20年5月 3件
松前神楽北海道連合保存会【北海道】
和寒神社稚児舞奉納婦人会【北海道】
葛城神社おねり保存会【徳島県】
第18回 平成19年5月 3件
新田ばやし保存会【千葉県】
河口浅山神社稚児の舞保存会【山梨県】
荒川獅子舞保存会【愛媛県】
第17回 平成18年5月 3件
梅山流鏑馬振興会【静岡県】
長野雅楽会【長野県】
桧獅子舞保存会【徳島県】
第16回 平成17年5月 3件
敢國神社獅子神楽保存会【三重県】
酒垂神社保存会【石川県】
杭全神社御田植神事保存会【大阪府】
第15回 平成16年5月 3件
矢矧神社獅子保存会【愛媛県】
鎌倉神楽保存会【神奈川県】
物部神社御神楽保存会【新潟県】
第14回 平成15年5月 3件
鷺宮囃子保存会【東京都】
八幡神楽保存会【青森県】
礼楽研究会【石川県】
第13回 平成14年5月 3件
黒谷の獅子舞保存会【埼玉県】
雄勝法印神楽保存会【宮城県】
香川県神社庁雅楽部櫻木守氏【香川県】
第12回 平成13年5月 4件
上総神楽保存会【千葉県】
津軽神楽保存会【青森県】
出雲国大原神楽保存会【島根県】
大西神社「鐘踊り」保存会【愛媛県】
第11回 平成12年5月 3件
二川歌舞伎芝居【和歌山県】
五島神楽「巖立神社神楽保存会」【長崎県】
大寺三番叟保存会【千葉県】
第10回 平成11年5月 3件
親都神社芸能保存会【群馬県】
松下流綱火保存会【茨城県】
熊野堂神楽保存会【宮城県】
第9回 平成10年6月 1件
湯立三十三番神楽保存会【福岡県】
第8回 平成8年6月 1件
佐藤延登氏【大分県】
第7回 平成7年6月 1件
西島神楽団【山梨県】
第6回 平成6年6月 1件
間中散々楽舞【茨城県】
第5回 平成5年6月 1件
江古田獅子舞【東京都】
第4回 平成4年6月 2件
大宝八幡宮十二坐神楽【茨城県】
大土地神楽団【島根県】
第3回 平成3年6月 2件
佐太神能保存会【島根県】
伊予神楽【愛媛県】
第2回 平成2年6月 2件
山森阿蘇神社神楽保存会【熊本県】
中江神楽保存会【熊本県】
第1回 平成元年6月 1件
比企雅楽会【埼玉県】