神道文化会平成20年度表彰者が決定

神道文化会では毎年、神道文化に功績のあった方々、団体に対する表彰をおこなっていますが
このたび、平成21年4月6日午後1時より表彰審査会を開催し、平成20年度の表彰者が決定致しました。
またあわせて神道芸能普及費の受給者も決定致しましたので、ここにそのお名前を記載致します。

一、小林弘樹殿               
 【推薦理由概要】・該当第三号
小林氏は平成十三年四月より、山梨県淺間神社の総代副会長、十六年に会長となり現在に至る。氏は、幼少の頃から父の影響を受け、神社への崇敬の念が極めて篤く、長じて本神社の総代に就いてより、神社の由来、祭祀の意味等を熱心に学び、『淺間神社歳時記』を作成した。また、当神社境内社の扁額の復刻、揮毫をするなど一総代の枠を超え、大きな業績を残している。また、その歳時記には、神社の歳時に関連した神道用語の説明や総代研修旅行先の神社の紹介などが記され多岐にわたり読み応えがあり、充実した内容となっている。

二、かつおぎ会殿 
 【推薦理由概要】該当第四号
財団法人大阪國學院通信教育部の同窓会組織である「かつおぎ会」は、受講修了後も会員の相互交流、研鑽を通じ斯界の発展のために貢献することを目指し活動している。会組織には、総務・教化・k講座・広報・ITなどを置き、国内東西に支部を設け、総会を開きなど活動を続け、同期会などの研修も展開している。特筆すべきは、さらに上位の階位を目指すべく検定試験の対策講座を開き著しい実績をあげていることである。
本同窓会会報『かつおぎ会会報』は平成二十年十二月で二四号を数え、その内容は多彩であり、活動をより強固なものとしている。

三宮田力松殿
 【推薦理由概要】該当第二号
宮田氏は、昭和九年愛知国学院を卒業後、小学校代用教員を皮切りに五十年を育行政に捧げ、その間の昭和五十三年に岡崎市の神明社禰宜となり、公職退任後は宮司を拝命し神明奉仕につとめる。また六十三歳より明階試験に挑み合格。そのたゆまぬ努力の軌跡や、所信を纏めた『時に寄せて』(平成十八年)、『今に生きる』他など多数の著書がある。「みずから学ぶ学習態度」の大切さを説き続け、斯界における生涯教育の示範ともなり、その生き方は高く評価できる。

四、平安神宮崇敬会殿             
 【推薦理由概要】該当第四号
 明治半ばに根菜畑を切り開き、琵琶湖疏水の水を取り入れた平安神宮の神苑は、明治期を代表する池泉回遊式庭園であり、国名勝に指定されている名庭園である。このたび、平安神宮崇敬会創立十周年の記念事業の一環として、平成十六年四月から三ヵ年計画にて滋賀県植物同好会、平安神宮自然調査グループにより神苑内の生物の生息・生育調査を実施、その報告書を纏め刊行した。その内容は、神社林、神苑の公共的価値の高さを社会に広めたばかりではなく、神苑が、生きものたちの生態系の維持機能を持つことを証明したばかりではなく、都市部における平地自然植生においてあまり調査されていなかった植物や菌類、陸生無脊椎動物の生物相を解明したことは学術的にも高く評価される。崇敬会の活動として大きな功績を残した。

五、全國戦歿學徒を追悼する會殿
【推薦理由概要】該当第四号
 同会は淡路島に昭和四十二年に開設された全国唯一の戦歿学徒追悼施設「戦没学徒記念若人の広場」において、終戦五十年の追悼行事が行われないことを嘆く有志により、平成七年に設立された。以来、平成七年十二月八日の開戦記念日に神道儀礼による「全国戦歿学徒追悼祭」を斎行し、現在にいたる。
会の活動は、荒廃した施設維持のための奉仕活動、再興にかけての啓蒙活動をつづけ、近年では、兵庫県神道青年会、近畿地区神道青年会が奉仕、更には神道青年全国協議会への協力を呼びかけ、次世代を担う全国の青年神職に慰霊顕彰を継承してもらうための取り組みなど活動を展開している。

神道芸能普及費受給候補者一覧(平成二十年度)

一、万九千社立虫神社 神代神楽保存会殿
【推薦理由概要】 
 本保存会の起源はいまから四百年前に再編された神主神楽並びに出雲大社の神事舞(湯立中心)を統轄してきた万九千社の社家錦田家の奏楽と舞に由来する。明治から昭和、先の敗戦を通して神職や氏子青年が継承しながら、昭和三十一年「神楽保存会」を発足。神主と氏子が一体となって活動をつづけている。県の指定などを受けず、神事としての不偏の価値を重視し、専ら伝承に努め活動している。

二、神代(じんだい)御宝(ごほう)踊(おどり)保存会殿
【推薦理由概要】
 本保存会は、昭和三年に設立され、今日にいたる。伝承では、京都の吉田神社から伝えられたという。元来高越山(こうつさん)に祈願する雨乞い踊りであったが、明治半ばて中断していたものを、昭和三年の御大典の際に川田八幡神社の奉納踊りとして復活させた。もとは部落の老・壮・青年が大行列でおどったものであるが、今日では白衣に紅の袴をはいた少女たちが踊る。歌詞、踊り方が古風、優雅で伝統美を今に伝える。昭和五十三年、県の無形文化財に指定される。

三、高江町太郎太郎踊り保存会殿 
【推薦理由概要】
本保存会は、南方神社の春祭りに奉納される「太郎太郎踊り」の継承するため、平成十四年に設立された。
活動は、毎年三月二日に近い日曜日の南方神社春祭りに奉納される、豊年予祝の田遊の芸能である。
由来は、約三百年前にはじまったとされ、豊作、安産を祈願する愉快な農耕劇で、男の子達が南方神社の境内を田に見立て耕していると、オンジョとよばれるおじいさんが、田おこしを教えるところからはじまるユニークな踊りというより寸劇である。方言のやりとりが素朴な農耕劇で、昭和三十七年に県の無形民俗文化財に指定された。